思い返すと自分のイタさやキモさに吐き気を催すような恋愛って誰しもあると思うんです。
「ない」ときっぱり答えられる人は、恋愛経験がない・少ないか、5年前、10年前から成長をしていない人なんじゃないかと思います。というか、そうであってくれと願っています。なぜなら、そう思わないことにはこれから約1,000文字も自分のイタかった恋愛エピソードを綴るには心が持たないからです……。
これはいまだに完治できていない私のイタい部分なのですが、好きな人に対して、自分の利用価値を提供せずにいられないんです。
例えば、彼が「このアーティスト好きなんだよね」と言えば、港区爆飲み大学首席の経歴を使って関係者席を手配しますし、「このブランドが好きなんだよね」と言えば、たとえ相手が駆け出しのバンドマンだろうとそのブランドのレセプションパーティーに連れて行ってしまう。SNSのフォロワーの伸ばし方を聞かれれば、手っ取り早く自分や周りのインフルエンサーを巻き込んで相手の拡散協力をしてしまう。
どれも例え話ではなく、ここ2、3年で実際に私が好きな男に対して行ってきたことです。ちなみにこれらはエンタメ業界に精通する港区おじさんがラウンジ嬢を口説く時の手口とまったく同じです。
恋愛感情を抱く相手を前にすると、多くの人は普段よりも自信を失います。経済力や社会的地位、ルックス、若さなど、第三者視点でこれら全てにおいて自分が優勢にあったとしても、恋愛では惚れた方の負けと言いますか、惚れている側が下という意識になります。
そうなると、相手に好かれるために港区おじさんたちは自分の利用価値を最大限にアピールし、「予約半年待ちの鮨屋、良かったら行かない?」などとイキの良い誘い文句を言い出すわけです。
さすがに私はこんなかっちょいいセリフを言ったことはありませんが、あくまで下手に出ることなくプライドを保った戦法で、自分の存在意義を相手に見出してもらいたいという気持ちは理解できます。何かしらの存在意義を見出してもらうことで、ようやく安心して相手のそばにいられるのです……。