東海道四谷怪談のモデルになったお岩さんは実は怖くない

| 心に残る家族葬
東海道四谷怪談のモデルになったお岩さんは実は怖くない

暦の上ではもう秋で、秋の気配が漂ってきたような気もするが、まだまだ暑い日が続いている。怪談話もまだまだ需要があるだろう。ちなみに怪談話といえば四谷怪談で、四谷怪談といえば「お岩さん」が有名である。髪が抜け落ち、顔が腫れている浮世絵も有名だ。日本で一番有名な怪談なのではないだろうか。

■東海道四谷怪談とは

この物語は鶴屋南北(1755~1829)が書いた『東海道四谷怪談』(文政8年(1825)江戸中村座初演)という歌舞伎の演目である。田宮伊右衛門が妻である岩を殺し、岩は幽霊となって復讐をする、という物語である。

いろいろと複雑な話になっていて、『仮名手本忠臣蔵』の外伝という形を取っている。初演時は2日連続でひとつのお話が通るように演出された。1日目は忠臣蔵の初めから六段目までをやって、そのあと四谷怪談の初めから三幕目までをやる。2日目は忠臣蔵の七段目から討ち入り前までをやって、四谷怪談の4幕目からをやって、最後に忠臣蔵の討ち入りをやる。という凝ったものだったそうだ。当時不倫の男女が戸板に釘付けにされ、神田川に流されたという事件を四谷怪談に取り入れるなどして、大変話題になった。

■実在したお岩さんと田宮伊右衛門の夫婦仲は良かった

その主人公であるお岩や田宮伊右衛門は実在の人物である。お岩は武家の娘で、夫の伊右衛門とは仲が良く、むしろ田宮家を復興したといわれている。お岩が信仰していたお稲荷さんは「お岩稲荷」と呼ばれ、現在は四谷にある四谷於岩稲荷田宮神社に祀られている。

■極楽にいるお岩さんは悲しんでいるかもしれない

鶴屋南北の手によって、仲の良かったお岩と伊右衛門が、妻のお岩を殺し、お岩は伊右衛門を祟るという、悲惨な話になってしまったことをお岩が恨んだのか、『東海道四谷怪談』が人気芝居になったころから、「四谷怪談を演じると祟りが起こる」という噂が広まった。これは現在でも続いており、「四谷怪談」を演じる前には、お岩のゆかりの地にお参りに行くことになっている。

■お岩さんのゆかりの場所

お岩のゆかりの場所は四つある。一つは実在のお岩の墓で、巣鴨の妙行寺である。

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