いわゆるヒーリングミュージックなら、世の中に溢れています。でも、聴く人の心を癒すのは「曲」ではなく「演奏」だと私は思います。演奏者の息づかいが伝わってくる静かで温かな音楽は、聴く人を慰め、孤独から救い、生きる力を与えます。私が弾いているのは、そんな演奏にぴったりな繊細で美しい響きを持つ「ライアー」という楽器です。クリスマスを待つ静かな12月の夜、ライアーとうたの調べにほっこりと心温まるひと時を過ごしてみませんか？
私は重度の視覚障害を持って生まれましたが、それほどのハンディを感じることなく育ちました。大学卒業後６年間ドイツで音楽療法を学び、帰国後は音楽療法士として働きながら、日本や韓国での音楽療法士育成にも携わっていました。
しかし、10年前にうつ病を発症し、現在は出勤が不可能な身体になってしまいました。それでも何とかもう一度、音楽療法の技能を活かして働けないだろうか。模索の末、思い至ったのが「おうちからおうちへ届ける演奏」でした。
ドイツのある病院では、コロナ病棟でも音楽療法士が患者さんの傍らで演奏をします。生演奏による心のケアの重要性が認知されているからです。しかし、厳重な感染対策を必要とする病院や施設で音楽療法を行うのは、なかなか難しいのが現実。それならば、生演奏にはかなわなくても、可能な限りそれに近い「演奏による癒し」をオンラインで届けられないだろうか、と私は考えました。
この夢を実現するために、昨年立ち上げたCAMPFIREコミュニティ「心癒される演奏お届けします－重度弱視の音楽療法士、うつ病からの再出発」は現在22人のメンバーに支えられ、着実に成長を遂げています。ライアー演奏ライブを毎週メンバーの皆さんに向けて配信しています。皆さんからのフィードバックを頼りに改善を重ね、生演奏に近い響きでの配信に成功しました。この試みをたくさんの方々に知っていただくために、今回はライブ配信を特別一般公開します。「演奏」による癒しの力をぜひ体験してみてください。