日本全国の神社では、さまざまな伝統行事・神事が行われてきました。今回の記事で取り上げるのは、大阪府・野里住吉神社で行われる「一夜官女祭(いちやかんにょ/かんじょさい)」というものです。
こちらは、とある理由からめずらしい神事と言われています。一体、どのような神事なのでしょうか?
「一夜官女祭」の舞台となる野里(のざと)村は、かつて「泣き村」と呼ばれていました。その理由は、昔から風水害(主に近くの中津川からの洪水)や疫病に見舞われ、村人たちが苦しんでいたから。
大変な思いをする村人たちは「村を救うためには乙女を神へ捧げよ」という神託を聞き、旧暦1月20日の丑三つ時に、白矢の打ち込まれた家の娘を唐櫃に入れて、人身御供(ひとみごくう)として捧げることにしました。
ちなみに、祭りの始まりは明確にはわかっていませんが、神社には元禄15年(1702年)と墨書された桶があり、約300年以上も祭りが続いていることがうかがえます。
7年後、一人の武士の登場が転機に人身御供の習慣が始まって7年後、村を通りかかった一人の武士(岩見重太郎とも言われています)がこの話を聞き、「神は人を救うが人を犠牲に求めることはない」と述べ、自分が少女の身代わりになると言ったのです。
翌朝、村人たちが様子を見に行ってみると、武士の姿はなく、唐櫃から血の跡が続き、それをたどっていくと狒々(ひひ)または大蛇が死んでいたといわれています。