「おぐらが斬る!」ウクライナ・ダム決壊でクリミア半島の戦況が変わる

| リアルライブ
イラスト

6日に発生したウクライナのダム決壊は、いまだロシア軍がやったのか、ウクライナ軍がやったのか、どこかの武装組織の仕業なのか、はたまた自然に決壊したものなのかはわかっていない。

日本のマスコミは「ロシアがやった」ことにしたいようだが、もう少し様子を観たほうがいいだろう。

さて、このダムはドニプロ川の水を溜めるためのもので、このカホフカ貯水池は琵琶湖の3倍ほどあり、日本の生活用水1年分の量をまかなえるほど大きなものだ。

ウクライナ政府によると、ダム決壊の影響で、日本の耕地面積の10分の1に当たる土地が利用できなくなり、灌漑システムへの被害総額は1兆4000億円、ヘルソン州南部の農業が回復するまでには10年以上かかるのではと言われている。

誰がやったにせよ、ウクライナ軍はドミプロ川の西側に兵力を集めており、決壊で被害を受けたのはロシアが実効支配している川の東側だが、洪水で水浸しになったため、大規模反転攻勢も大きく遅れざるを得ないのが実情。つまりどちら側にとっても、いまのところ得はないようだ。

そしてもう一つ心配されているのが、クリミア半島の水問題だ。

クリミア半島の水は、決壊したダムから供給している。その量はクリミア半島で使われる水の85~90%にも及ぶ。

この決壊で半島が砂漠化し、農業は壊滅するかもしれない。当然生活用水も相当制限せざるを得ない。

さてこのクリミア半島、2014年にロシア軍が侵攻してきて以来、ロシアが実効支配しているわけだが、侵攻以前から6割以上が親ロシア派というよりロシア人なのだ。ロシア軍がクリミア半島を侵攻したとき、大した抵抗もしなかったのはそういう事情もあったのだ。

よってクリミア半島の住人はいまでも、そのほとんどがロシア人として普通に生活している。

ゼレンスキー大統領は盛んに「クリミアはウクライナの土地である」と、クリミア奪還を主張しているが、もし奪還に成功しても、ウクライナ政府がこの半島を治めるのはとても難しいだろう。

もし仮にこの半島をウクライナが取り戻したとしても、すぐに親ロシア派の政党や武装勢力ができて、紛争地帯になるかも知れない。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会