シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(静岡県・60代女性)
大学進学で、地方から東京に出てきたFさんは、通学中の痴漢被害に悩まされていた。
その日も、電車の揺れに合わせて近づいてくる50代ぐらいの男性がいて......。
<Fさんの体験談>
40年も前、大学生だった私は田舎から東京に出てきて慣れない生活を送っていました。
朝の満員電車が悩みの種。何度も痴漢にあい、電車が恐怖になっていたのです。
そんなある朝、急行列車に乗っていたら、私を見ながら電車の揺れに合わせて少しずつ近づいてくる50代ぐらいの男性がいました。
ドアの方に逃げるも追い詰められ...「あ、痴漢だ!!きっとこっちに来る!!」
私はその人の顔を横目で見ながら少しずつドアの方に逃げました。
しかし、急行列車なので、まだまだドアは開きません。とうとうドアギリギリに追い詰められてしまった時、とても背の高いスーツ姿の男性が私の横に来てドアの上の方に手をついて真ん中に空間を作り、私を守ってくれました。
私の怯える顔にきっと気づいてくれたんでしょう......。
駅に着き、人混みにまぎれてその人の顔も見ないままになってしまいました。
「守ってくれたのか?」「偶然なのか?」分からなくて、お礼も言えませんでしたが、スーツ姿の男性は間違いなく私を守ってくれたヒーローです。
今となっては顔も年齢も分かりません。