シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Eさん(東京都・50代女性)
その日、Eさんは幼い娘と一緒にタクシーで帰宅しようとしていた。
なかなかタクシーが捕まらずに立ち尽くしていると、ヤクザ風のグループに声を掛けられ......。
<Eさんの体験談>
36年前、私は2歳の娘と一諸に暮らしながら美容関係の仕事をしていました。職場は保育所付だったので、毎日娘を連れて満員電車で新宿まで行き、帰りは眠ってしまう娘を抱いて帰宅する日々でした。
ある日、帰りが遅くなり疲れた私は、いつものように眠っている娘を抱いて電車で帰るのがきつく、少し遠回りなものの吉祥寺からバスで帰ることにしたのですが......。
「親分に言われましたので」ところが、既に目当ての路線の終バスがでてしまっていました。仕方なくタクシーで、と思いましたが、乗り場にはものすごい列......。
タクシー乗場から離れたところで見つけようともしましたがやはり捕まらず、私たちはそこで30分くらい立ちすくんでいました。
その時、見るからにヤクザ風の人たちが私の前を通り過ぎたのですが、何やらこちらをチラチラと見てきます。そして10分後くらいに、そのヤクザ風のグループの一人が声を掛けてきたんです。
「タクシー止めたから乗ってください」
そう言われて混乱してしまった私に、その人は「親分に言われましたので乗ってください」と続けます。