「張る」と「貼る」はよく似た言葉でありながらも、意味や用途が異なる表現です。しかし、どのようなシーンでどちらを使うのが正しいのか迷う部分も出てくるのではないでしょうか。
そこで今回は、「張る」と「貼る」の違いを解説。それぞれの使い分けのポイントや類語も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
■「張る」と「貼る」の違いとは?
まずは、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。
◇「張る」は「伸ばす・広げること」
辞書に記載のある「張る」の意味を以下で一部紹介します。
はる【張る】
(1)広がりのびる。「根が—・る」
(2)のばし広げる。「テントを—・る」
(3)はちきれそうにふくらむ。ふとる。「腹が—・る」「木の芽が—・る」
(4)大きく見せようとしてふくらせる。「胸を—・る」
(5)一面におおう。「池に氷が—・る」
(6)いっぱいにする。「浴槽に水を—・る」
(7)強く盛んになる。「欲が—・る」
(8)強く盛んにする。「声を—・る」「欲を—・る」
(9)糸や綱などを引き渡す。「綱を—・る」
(10)気持ちが引き締まる。「気が—・る」
(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
「張る」は、主に布などを伸ばす様子や広げることを意味します。また、精神的な部分では「気が張る」といった緊張状態を意味する言葉として使われることもあるでしょう。
◇「貼る」は「平たいものを密着させること」
「貼」という言葉を辞書で調べてみると、次のような意味があります。
貼
はりつける。「貼付・貼用」
(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
つまり、「貼る」はシールや湿布といった特定のものを密着させることを表す単語といえるでしょう。