2000年前のペルーの岩絵は幻覚剤によるサイケデリックな儀式を表現しているのかもしれない
2024.04.10 22:00
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カラパイア
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ペルー南部の火山岩に刻まれた一連の古代岩絵は、もしかしたら幻覚作用のある植物を使った、2000年前のシャーマンの儀式の様子を表現しているのかもしれない。
ジグザグの線や幾何学模様に囲まれて、いかにも踊っているように見える人間のような姿が多数見受けられるのだ。
新たな分析で、これら抽象的な図形が、参加者をトランス状態にして別次元へと導くサイケデリックな儀式の様子を表しているのではないかとの説が浮上している。
・トロ・ムエルトの岩絵は何を表現しているのか?
コロンブス以前のこうした古代ロックアートは、南米でもひときわ豊富な岩絵があるペルー南部のトロ・ムエルト遺跡で見ることができる。
砂漠の峡谷にあるこの場所には、おびただしい数の岩があちこちに点在していて、そのうち2600の岩に古代アートが刻まれている。
新たな研究によると、これら岩絵にはこの地域独特の踊る人物像(スペイン語でダンサーを意味するダンザンテスとして知られる)と幾何学模様が繰り返し描かれているという。
幾何学模様はほとんどがジグザグの線や、幅の異なる直線や曲がりくねった線、ドットや円を伴うこともある。
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トロ・ムエルトにある岩絵 / image credit:A. Rozwadowski/Cambridge Archaeological Journal/2024
これらはいったいなにを表しているのだろうか?
これまでの解釈では、ヘビや稲妻、水を表しているのではないかと言われていたが、研究著者らによると別の意味があるのかもしれないという。