シエラレオネで墓を掘り起こす人が急増。人骨を使用した麻薬の蔓延で大統領が非常事態宣言

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シエラレオネで墓を掘り起こす人が急増。人骨を使用した麻薬の蔓延で大統領が非常事態宣言

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 西アフリカのシエラレオネ共和国では、墓荒らしの急増を受け、とうとう国家非常事態宣言が発令されることになった。

 その原因は「クシュ」と呼ばれる麻薬である。この麻薬の成分には、すりつぶした人間の骨が使用されており、クシュを求める依存者の需要を満たすため、材料となるべき人骨を墓から掘り起こし、持ち去る事件が増加しているのだ。

 同国のジュリアス・マーダ・ビオ大統領は、国民へ向けた演説でクシュを「死の罠」と呼び、国を挙げての対策に乗り出すと宣言した。

・人骨から作られる恐ろしい麻薬「クシュ」
 シエラレオネで、向精神作用がある「クシュ」がまん延し始めたのは、6年ほど前のことだという。依存性が非常に高く、また安価なことから、瞬く間にホームレスや若者の間に瞬く間に広がって行った。

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 クシュの成分になぜ人骨が含まれることになったのかは、実はよくわかっていない。

 とにかく「材料に人骨が必要」という噂が広まり、墓を暴いて遺体を盗み出す事件が増加の一途をたどっているのだ。

 クシュの恐ろしいところは、死につながる麻薬だという点にある。常用するうちに臓器不全や精神疾患を引き起こし、死亡する中毒者が後を絶たない。

 また、体内の免疫システムを弱体化させる作用も知られており、傷口が治らず化膿したり、足がひどくはれ上がったりする。

 現在、シエラレオネ国内には、たった一か所の薬物リハビリテーションセンターがあるだけだ。ベッド数が100床ほど。国中にまん延している中毒者の受け皿になるには、あまりにも少なすぎる。
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