北海道積丹町でクマの駆除の際、地元猟友会と町議のトラブルが発生した。猟友会側は出動を拒否して1カ月になり、地元住民はクマ出没への不安を隠せない状況となっている。
トラブルの発端は先月27日にさかのぼる。同町に住む町議会議員の自宅近くに体重284キロのクマが出没した。地元の猟友会がクマを駆除する際、近くにいた町議に離れるよう注意した。
しかし、この指示に町議が激高。ハンターに対し「やめさせてやる」と発言したという。この発言を重く見た猟友会は、翌日、同町に対し出動拒否を通達した。このトラブルで猟友会が出動しなくなってから1カ月となる。町民からは 「実際にクマが出たら出動してもらいたい。心配です」と不安な日々を送っている。
また、町議は「やめさせてやるとは言っていない。一町議がそんな力を持っているわけがない」と報道の発言を否定している。
クマの駆除には欠かせない猟友会は、時代の変化を受け分岐点にあるようだ。市街地に出没したクマとイノシシを銃駆除できる「緊急銃猟」制度が9月1日に始まった。一方、制度施行前の8月20日、北海道猟友会は現場で状況に応じて発砲を断っていいと道内の全71支部に通知した。緊急銃猟により人身被害などが起きた場合の補償制度が設けられておらず、ハンターが発砲の責任を負う可能性があるとしている。
ハンターの立場を揺るがすことがあった。2018年8月、北海道砂川市の要請でヒグマを駆除したハンターが、約2カ月後に鳥獣保護管理法違反などの疑いをかけられ、19年には「建物側へ発砲した」として猟銃の所持許可が取り消されたのだ。
ハンターは訴訟を起こし、一審で札幌地裁はハンターの訴えを認め、処分を取り消す判決となった。だが、二審の札幌高裁は「弾丸が跳ね返って建物に到達する恐れがあった」として一審判決を取り消す逆転判決となった。ハンターはこの高裁の判決を不服として、最高裁へ上告している。
高齢化が進む猟友会の世界。なり手がいなければクマ対策はさらに困難になる。ハンターの身分の保障と責任問題を明確にしなければ、今後もハンターが活動を控えるケースが出てくるだろう。
北海道積丹町で猟友会が出動拒否 「やめさせてやる」町議発言が火種に
2025.10.28 14:20
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