地下13-14m墓室で発見されたイディ(Lady Idy)の二重木棺、保存状態悪化の危機。日本人修復家らの技術と国際協力で救う緊急修復プロジェクト、クラウドファンディング開始。 灼熱と湿気の過酷環境が引き起こす劣化との戦い。奇跡的に破壊を免れた中王国時代の傑出した文化財を未来へ。
【2026年2月2日】
アシュート・プロジェクト(The Asyut Project)は、エジプト、ゲベル・アシュート遺跡「第1号墓」の地下13-14メートルに位置する墓室で発見された、約4000年前(エジプト中王国時代)の木棺を救う保存修復プロジェクトを開始しました。本プロジェクトの資金調達のため、クラウドファンディングサイト「ReadyFor」にて1月30日より支援を募集しています。
■ 地下13-14 mから現れた、4000年前の家族の祈り
2024年9月、アシュート遺跡で発見された「イディ」の二重木棺。州侯(知事)である父の壮大な岩窟墓の内に設けられた地下13-14mの墓室で、イディは永遠の眠りについていました。
古代に一度盗掘を受けたものの、巨大な岩が墓室へ続くシャフトを塞いでいたため、二重木棺、人骨、一部の副葬品そのものは奇跡的に残されていました。
木棺に施された精緻な木工技術と鮮やかな彩色は、当時のきわめて高い技術を反映したものです。家族が娘のために惜しみなく用意した、格式高い埋葬。そこには、時代を超えて彼女への家族の祈りが込められています。エジプト中王国時代(紀元前2000年頃)の葬送文化と死生観を今に伝える第一級の文化財であり、4000年の時を経て、古代の祈りと職人の技術をそのまま現代に伝える貴重な「タイムカプセル」です。
■ 発見直後から始まった「劣化との戦い」
盗掘の恐れから、木棺、イディ人骨、副葬品は記録作業を経て考古省所有の安全な収蔵庫へ移送されました。盗掘からは守られたものの、新たな危機が訪れました。発見時すでに地下墓室の高湿度により劣化が進行していたうえ、地上への移動による環境の変化が、4000年を耐えた木棺に急速な劣化をもたらしているのです。
エジプト・4000年前の女性「イディ」の木棺を救え
2026.02.03 00:00
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