『豊臣兄弟!』慶が“女ぎつね”は本当か?裏切った浅井長政の真相ほか…史実をもとに第13回放送解説

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『豊臣兄弟!』慶が“女ぎつね”は本当か?裏切った浅井長政の真相ほか…史実をもとに第13回放送解説

織田信長(小栗旬)の命令によって慶(吉岡里帆)をめとった小一郎(仲野太賀)。しかし彼女は女狐との評判が立っており、のっけから殺伐とした新婚生活が幕を開けます。

そんな小一郎をよそに、信長は将軍・足利義昭(尾上右近)に政治干渉を行い、幕府の威光を楯に反対勢力の粛清に乗り出しました。

複雑な立場に置かれた浅井長政(中島歩)は中立を保つことで信長と合意したものの、浅井久政(榎本孝明)や朝倉景鏡(池内万作)にそそのかされ、あっさり信長を裏切ります。

背後を衝かれた信長は絶体絶命の窮地に……と、そんな第13回放送「疑惑の花嫁」でした。それでは今週も、気になるトピックを振り返っていきましょう!

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慶のモデルは?

慶を出迎える豊臣一族の面々。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

慶を演じる吉岡里帆と言えば、カップ麺「どん兵衛」CMでどんぎつねを演じていた記憶がよみがえります。きっと一部視聴者の脳内では、彼女の頭にキツネの耳が可視化されていたことでしょう。

とまぁ余談はさておき、劇中で言及されていた設定から、慶のモデルを推測してみたいと思います。

一、安藤守就(田中哲司)の娘である。

一、夫は稲葉山城の陥落時に討死した。

安藤守就の娘として存在が確認できるのは、長女(木下勘解由室)・次女(竹中半兵衛室)・三女(遠藤慶隆室)ですが、彼女たちの夫は永禄10年(1567年)時点では討死していません。

慶の出自については諸説あるため、本作のオリジナル設定と考えてよいでしょう。

小一郎(豊臣秀長)の正室について

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慶は本当に女狐か?

出陣する小一郎の前を横切る慶。男を連れているのは、本当に「そういうため」?NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

中の人ネタはさておき、慶が「男をとっかえひっかえ買っている」というかねてからの噂は、不自然なものを感じます。

劇中では「男と女が会ってすることと言えば決まっておろう」と性的な関係を匂わせていましたが、偽りのような気がしてなりません。

小一郎に対する敵愾心から「身は差し出しても、心だけは指一本触れさせぬ」「私はお前だけのものにはならぬ」と息巻いていますが、これはハッタリであろうと予想します。

とんでもない女狐だと第一印象を悪くしておくことで、その誤解が解消された時のギャップを狙った演出ではないでしょうか。

小一郎は「許してくれるまで何も求めないから、もっと自分を大事にしろ」と言っていますが、果たして彼女が何をしていたのか、今後の展開に注目です。

初めて「二人で戦った」寧々と秀吉

小一郎夫婦(仮)宅へ乗り込んだ寧々&秀吉。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

小一郎が女狐の魔手にかかるのではと心配して乗り込んだ寧々(浜辺美波)と秀吉(池松壮亮)。夫婦そろって散々騒ぎ立てた挙句に追い出されてしまいましたが、寧々は意外と楽しそうでした。

「初めて二人で戦った気がします」

これまで秀吉を見送り、ただ待つばかりだった寧々にとって、今回のことは楽しい?思い出となることでしょう。

負けても勝っても、一緒に戦うからこそ楽しい。そんな夫婦の絆が育まれていく様子が描かれていました。

ちなみに劇中で、下女に対して「小松菜を」云々と指示していましたが、小松菜という名前は江戸時代の第8代将軍・徳川吉宗が名づけたと言います。

それまでは葛西菜(かさいな)と呼ばれており、江戸時代初期に中国大陸から伝来したそうです。ご参考まで。

ともあれ、寧々と秀吉の戦いにも注目していきましょう!

信長が義昭に突きつけた五ヶ条とは?

信長「今度は手前がもてなしたい」その約束も、きっと果たされない。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

劇中では信長が明智光秀(要潤)に対して、五ヶ条の要求を突きつけていました。

読み上げる途中で遮られていましたが、その内容はざっくりこのようなものです。

一、将軍家が諸大名に手紙を出す時は、信長の検閲を受けて添状をつけること。

一、これまで幕府が出した命令はすべて白紙とし、改めて(信長の意にそう形で)出し直すこと。

一、将軍家が恩賞として与える土地が不足した場合は、信長の領地であっても与えてよい。

一、将軍家に対する意見などは、すべて信長が受け付け、道理に基づいて処断する。

一、天下が治まった以上、将軍家は天皇陛下や皇室に対する奉仕や支援に勤めること。

あくまで信長は将軍家の下につきながら、政治の実権を掌握し、時には指示さえ出すような内容も含まれていました。

幕府の権威を楯に、逆らう者を片っ端から粛清する。劇中ではそんな信長の横暴さが描かれていましたが、近年の研究では一概にそうとも言えなかったようです。

義昭と信長が決別した結果から逆算して、信長が一貫して横暴だったように描かれやすいものの、実際には微妙な政治的緊張や駆け引きがあったのでした。

藤戸石を斬りつける義昭

あくまで「自分の意思」として信長の要求を受け入れ、幕臣たちの怒りを鎮めた義昭。しかしその内心は煮えくり返っていたようで、信長が献上してくれた藤戸石を狂ったように斬りつけます。

そんなことをすればどんな名刀も折れてしまいますが、我に返った義昭は光秀に懇願しました。

「刀の使い方を教えてほしい。わしは強くなりたい」

実際には本圀寺の変で武勇を奮った義昭ですが、本作では刀の使い方も満足に知らない「お飾り将軍」という設定です。

義昭の切なる思いに心打たれた光秀。今作における本能寺の変(信長暗殺)は、義昭黒幕説が採用されるのかも知れませんね。

破られる兄弟の絆

相撲をとる信長&長政兄弟。もし信長に勝ったら勝ったで、後が面倒そう。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

場面は変わって、近江の常楽寺で相撲をとる信長と長政。言いがかり?をつけて何度も何度も長政を投げ転がすパワハラ?ぶりは、いわゆる「可愛がり」でしょうか。

つい楽しくて、何番も相撲をとってしまった……今度の弟は裏切らないでほしい。そんな思いを胸に秘めつつ、楽しいひとときを過ごしたのでした。

そして「今度朝倉を攻めることになるかも知れないが、浅井は中立を保ってくれればいい」「この戦が終わったら、また相撲をとろう」と盛大にフラグを立てます。

皆さんご存知の通り、長政は出撃した信長を裏切って朝倉と組み、信長らを挟み撃ちにするのです。

裏切り裏切られの多い戦国乱世にあっても、信長ほど裏切られた経験の多い人物も珍しいのではないでしょうか。

簡単に人を信じて裏切られ、それを許してまた裏切られ……というケースさえありました。

実弟の織田信勝(中沢元紀)に続き、今度は義弟にも裏切られることになります。

徳川家康との再会

さて若狭に続いて越前にまで兵を進めた信長軍団。秀吉&小一郎は金ヶ崎城で徳川家康(松下洸平)と再会しました。

熱意が人を動かし、勝敗を決する……この「金言」あればこそ、自分はここまでやって来られたと感謝する秀吉に対し、家康は何も覚えていません。

「あれ(彼ら)、誰?」

本当に覚えていないのか、それとも周囲に対して「あんな小者は取るに足りない」というアピール(演技)なのか……石川数正(迫田孝也)も呆気にとられていたようでした。

果たして次週で見られるであろう「金ヶ崎の退口」では、家康も殿軍を務めるのか否か、注目しましょう。

あっさり寝返った浅井長政

長政に裏切られるとは、夢にも思わない信長。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

信長と兄弟の絆を深め、当主としての決断を下した長政ですが、久政と景鏡の説得であっさり前言撤回してしまいます。

「中立とは言え、盟友が攻め込まれるのを見逃すのは盟約違反」

「織田の女狐にとりこまれたか」

現実ならばまったくあり得ない展開ですが、ともあれ長政は織田を裏切る決断を下しました。

その情報をいち早く知らされたお市(宮崎あおい)は、さっそく兄・信長に浅井の裏切りを伝えるようです。果たして「袋の小豆」エピソードが描かれるのでしょうか。

ちなみに浅井長政が織田信長から離反した理由については諸説ありました。

信長が「朝倉を攻めない」という盟約に違反したから。『浅井三代記』 信長が長政を「少身の者≒家臣」と軽んじていたから。『信長公記』 朝倉が滅んだら、次は自分が滅ぼされると危惧したから。『当代記』

……等々。いずれにしても、信長と長政が相撲をとる機会は二度とないでしょう。

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第14回放送「絶対絶命!」

第14回放送「絶体絶命!」NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

浅井長政(中島歩)が朝倉方に寝返ったと知った信長(小栗旬)は激高。しかし藤吉郎(池松壮亮)の機転で冷静さを取り戻し、退却を決意する。藤吉郎はわずかな手勢で、信長が京に戻るまで朝倉軍を食い止める「しんがり」を担うことになり、小一郎(仲野太賀)は、その中でも最も危険な役目を引き受ける。兄弟の命がけの撤退戦が始まる! その頃、京で長政の謀反を知った義昭(尾上右近)は、ある決意を固めていた。

※NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。

さぁ次週はお楽しみ、信長主従最大の窮地「金ヶ崎の退口(かねがさきののきぐち)」が描かれます。まさかとは思いますが、以前の「どうする家康」みたいに「何やかんや」で済ませることはないでしょうね……?

藤吉郎と小一郎にとっては、殿軍(しんがり)という命懸けの重要任務を果たす晴れ舞台。竹中半兵衛(菅田将暉)が「明日を生き延びるため」と言いながら記した地図が、大いに役立つことでしょう。

誰もが結果を知っているからこそ、その過程に熱い視線が集まる名場面が次週見られると思うと、もう夜しか眠れません。とても楽しみにしています!

※金ヶ崎の退口について

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