「新幹線の乗り場はこっちでいいですか?」
差し出された切符を見ると、行先は反対ホームだった。私に声をかけてきた兄とその弟は、無事に向かいの乗り場に行ったのだが突如、こちらに走って戻ってこようとしている――。
青森県在住の50代(投稿時)男性・Sさんの思い出。
<Sさんからのおたより>
仙台で学生していた頃の話です。
夏休みで、青森の実家へ帰省しようと仙台駅の新幹線のホームへ行きました。
ホームでマンガを立ち読みしていると、幼い兄弟がキョロキョロとこちらに向かって歩いてきました。ぱっと見、お兄ちゃんは小学校1年生ぐらい。弟くんは3~5歳ぐらい。2人とも大きなリュックに水筒をぶら下げていました。
切符を見せられてお兄ちゃんは、しっかりと弟の手をにぎり、ゆっくりこっちに歩いて来て、
「ここへ行きたいんですけど、新幹線の乗り場はこっちでいいですか?」
と切符を私に見せて尋ねました。
切符は那須塩原までのもの。
私は盛岡方面だったので、兄弟が乗りたい新幹線は反対側のホームです。
「そっか。向こうのホームだね」と指を指したけど、時間に余裕もあったので、どうせなら号車乗り口まで案内しようと思い、「ついてきて」と反対側のホームへ向かいました。