朝、職場に向かっているときに見知らぬ人から助けを求められたら、快く応じることができるだろうか。
千葉県在住の30代女性・Mさんがその日であったのは、それができる男性だった。
<Mさんからのおたより>
14年程前、湘南のとある商業施設に務めていた私が従業員入口から出勤しようとしたところ、広い駐車場を挟んだ向こう側に立っている木に、何か動くような物をみつけました。
柵に沿ってたっている低めのその木に近づくと、糸が足に絡まって木に宙吊りになり必死にもがく鳩であることが分かりました。
私は足に絡まっている糸を取ろうとしたのですが暴れられてしまい、どうして良いか分からなくなっていたところに、出勤前と思しきスーツ姿の男性の方がこちらへ歩いてくるのが見えました。私は咄嗟にその方に声をかけました。
「鳩を助けてください」男性に状況を話したところすぐに鳩の様子を見て下さり、またその商業施設の駐車場の警備の方もやってきてハサミを貸してくださり、鳩の救助作業が始まりました
警備員の方は手袋をした手で鳩を支え、スーツの男性が一生懸命鳩を傷付けぬよう糸を慎重に1本ずつ切ってくださいました。私は何も出来ず、鳩さんに声をかけ続けただけです......。
20分程はかかったかと思います。おかげで鳩は絡まった糸から解放され元気に飛び立っていきました。
あのとき、見ず知らずの女に突如「鳩を助けてください」と呼び止められ、恐らく出勤前にも関わらず嫌な顔一つせず鳩を助けてくださったスーツの男性、鳩を支えてくださった警備員さん、本当にあの時はありがとうございました。
きっと鳩さんも私も、ずっとお二人の優しさを忘れません。
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名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。