台風の雨風で、びしょ濡れになりながら家路を急ぐ母親と幼い子。
2人に声をかけたのは、母親と同じくらいの年齢の女性だった。
彼女が遠慮する親子にかけた言葉とは......。
東京都在住の40代男性(投稿時)・Mさんの実体験。
<Mさんからのおたより>
45年くらい前の話です。
当時、私は保育園児で、一歳上の年子の姉も別の保育園に通っていました。
7月だったと思います。昭和にしては珍しく台風ほぼ直撃の日でした。
父は現場仕事で雨でも雪でも朝早く出勤し、ほぼ毎日飲んで帰るので帰宅は夜の7~8時。母は車の免許がないので、夕方、自転車か歩きで私と姉を迎えにきてました。
姉の保育園の方が近かったので先に姉を家に連れ帰り、その後歩いて私を迎えに来てくれていました。
びしょ濡れになりながら家を目指してその日の帰り道、ものすごい雨と風でした。
母は私を抱き抱えながら傘をさし、びしょ濡れになりながら家を目指して歩いていました。
その時に、乗用車が私たちの横に止まり、母と同じ歳くらいの女性が窓を開け
「乗りなさい! いいから乗りなさい!」
と言ったのです。
見ず知らずの女性ですし、びしょ濡れなので、母は「ありがとうございます。大丈夫です」と言いました。
しかし女性は、「いいから乗りなさい!」。
「びしょ濡れで大丈夫でしょうか? すみません」と母が言うと、その人はこう答えたのでした。
「関係ありません。こういう時はお互い様、助け合いです。家まで送ります」
そして、私と母を家まで送り届けてくれました。
私はまだ保育園児でしたので、女性の名前も居場所も分かりません。母も今は70代後半なので覚えてないそうです。
もし可能なら、今更ですが、あの時はありがとうございましたと、一言お礼を言いたいです。