静岡県在住の20代女性・Nさんは19歳の時に娘を出産した。生まれてきた娘は、右手の親指が2本ある「多指症」だった。
Nさんはそのことにショックを受け、自分を責めたという。
産後初めての夜には、病院で寝付くこともできず......。
<Nさんからのおたより>
私は19歳で妊娠し、母になりました。
出産まで自分の子と会えるのが楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。
なかなか陣痛が来なかったのですが、促進剤を入れ入院していたらみるみるお産は進み、夫と母は間に合わず、ひとりでのお産となりました。
いざ出産し待望の我が子を見ると、右手親指が2本あり、計6本指の右手でした。
ショックでなかなか寝付けずに...事前のエコーでは全く分からなかったこともあり、予想していなかった我が子の姿に私は頭が真っ白になりました。
その後、夫と母が来てくれましたが、あまりその時の記憶がありません。
助産師から多指症は手術で直せると聞かされてもほとんど耳に入ってこず、現実を受け止められずに「母としてもっと妊娠中出来たことがあるのでは......」などと自分を責め続けました。
その夜のことです。
母子同室の病院でしたが、その日は母体の体力回復のためにと、娘は新生児室へ。
私はナースステーションの目の前の部屋で休んでいましたが、ショックからなかなか寝付くことが出来ませんでした。
深夜、トイレに向かい、なんとなく新生児室に目をやると娘が助産師さんにミルクをもらっている最中でした。
あの時、あなたがミルクをあげてくれていて、本当に良かった娘から目が離せずその場にいると、助産師さんが私に気づいてくれました。
深夜のミルクで助産師さんも大変なのに、その人はこちらに微笑んでくれて、娘を連れてきてくれました。
どうしたら良いのか分からず娘を見ていると、助産師さんは私に優しく手渡しで娘を抱っこさせてくれました。
娘は小さく、か弱く、軽い小さな命でしたがそれでも温かく、私の腕の中で小さく呼吸をして動いて生きていて......。そこにちゃんと存在していました。