2025年に公開され、記録的な大ヒットとなった映画『国宝』。これまで歌舞伎のことをあまり知らなかったけれど、映画をきっかけに興味を持つようになったという方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、そんな歌舞伎において重要な意味合いを持つ「屋号」についてご紹介したいと思います。代表的な屋号にはどんなものがあるのか、歌舞伎俳優の名字と異なることが多いのはどうしてなのかなどを深堀りしていきます。
屋号とは、「一門・一家の特徴を基に一家に名乗る称号のこと」を指します。江戸時代、武士以外は「苗字」を公的に名乗ることが許されていませんでした。
商人や農家たちは、近くの地域内で同じ苗字を持つ者と区別するため、各家族ごとに名称を付けたのが「屋号」です。
歌舞伎役者は華形の職業に思えますが、江戸時代は芝居小屋が「悪所」と呼ばれ、幕府から疎まれるなど、社会的な身分は高くありませんでした。
そこで、商人らにならって歌舞伎役者たちも屋号を使うようになったのがはじまりです。
主な歌舞伎の屋号は?歌舞伎の舞台では、花道の出端(登場シーン)、引っ込み、役者が「見得(みえ)」をするときなどに屋号のかけ声がかかります。「大向(おおむこ)う」と呼ばれる遠く離れた席から、「成田屋!」「音羽屋!」などのかけ声がかかるのを見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
主な歌舞伎の屋号には、成田屋(なりたや)・音羽屋(おとわや)・高麗屋(こうらいや)・中村屋(なかむらや)などがあります。