病床の父を見舞うため、幼い子供たちを連れて実家に通っていたTさん(投稿時:埼玉県在住・40代女性)。
その道のりは簡単なものではなかったが、ある日、手を差し伸べてくれた人たちが。
<Tさんからのおたより>
今から20年ほど前になります。
脳梗塞で倒れた父の様子を見に行くため、車の免許もなかったので、電車を乗り継ぎ1時間ほどかけて定期的に実家へ通っていました。
ベビーカーに下の子を乗せ、2歳になった上の子と手を繋ぎ、下の子が泣きそうになるとベビーカーを持って下の子を抱き上の子と手を繋ぐという大変な状況でした。
席を譲ってくれる人もおらず睨まれることも多々あったので、とにかく邪魔にならない時間や場所を選んでいました。
駅には階段しかなくて...当時エレベーターはおろか、エスカレーターすらない駅も多く、実家の最寄り駅も例外ではありませんでした。
下の子をベビーカーに乗せ上の子に私の服を握らせベビーカーを抱えて階段を降りようとした時、スーツの男性が「上の子と手を繋いであげて」とベビーカーを抱えようとしてくれました。
すると、そばに居た若い男性も駆け寄ってくださり、ベビーカーの子供を落とさないよう、2人でベビーカーを抱え階段を下りてくれたのです。
今は子供を乗せたまま階段を下りないようにと言われていますが、当時の私にはとてもありがたく、涙が出るほど助かりました。
その場で何度もお礼は言いましたが、お2人は何も言わず笑顔で去っていかれました。
その時の子供は2人とも成人し優しく立派な社会人として働いています。
あの時の御二方、本当にありがとうございました。
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名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。