9月某日、SLIPKNOTの5枚目になるニュー・アルバム『.5:THE GRAY CHAPTER』(ポイント・ファイヴ:ザ・グレイ・チャプター)先行視聴会が行われた。日本盤は10月15日先行発売(USは10月21日)だが、いち早く聴きたいと思い、レコード会社に足を運んだ。ヘッドフォンで一度だけ聴いた感想にはなるが、従来のファンはもちろん、今作から彼らを耳にする人たちをも虜にする激越サウンドが渦巻いている。
11月15日・16日にはSLIPKNOT主催のフェス、「KNOTFEST 2014」がここ日本(幕張メッセ)に初上陸する。しかも90年代ラウドロック/ラップメタルを代表するKORN、LIMP BIZKITを従えた強力なラインナップだ。
そんな絶好のタイミングで投下される、約6年ぶりになるこの5thアルバムは是非チェックしてほしい。ご存知の方も多いだろうが、2010年5月24日にポール・グレイ(B)が急逝。そのあとに出る初のフル作だけに、期待と不安を交錯させながら待ち受けている人も多いに違いない。だが、今作も紛うかたなきSLIPKNOT節に貫かれている。
冒頭曲「XIX」はポール・グレイに捧げられた楽曲だ。ノイズ調のイントロから物悲しい旋律に響き渡り、コリィ・テイラー(Vo)が熱っぽく語る歌声が挿入される。そのスローテンポなオープニングから、「Sarcastrophe」「AOV」の曲で一気にモードは切り替わる。脇目を振らずに突進してくる直情的なエモーション、鼓膜をつんざくような猛々しい疾走感。静かな会議室で視聴しながら、思わずヘッドバンギングせずにはいられないほどだった。
ドラマティックに展開する楽曲もあるものの、作品全体を通すと、天上を衝く怒りと谷底に響く悲しみを両輪に、レッドゾーンに振り切れた壮絶なナンバーばかり。常に聴き手と真剣勝負で対峙してきた彼らだからこその頑強な感情が、切なさと悲しみを内包したまま大スパークしている。
聴き終えた後、いい意味でグタッと疲れるほど体力を消耗した。でもこんな疲労感なら、積極的に何度でも味わいたい。本気汁満載の驚愕の一枚だ。
(取材・文/荒金良介)