【神戸女児遺棄】マスコミ取材で地元住民が怒り心頭「同じ質問すんな」

「びゅんびゅんびゅんびゅん、ヘリコプターの音、ほんまうるそうてかなわんわ。犯人逮捕されたちゅうことで、これでようやっと静かになる思うとったら、今度はマスコミや」

 神戸小1女児殺害事件は、不明女児が遺体で発見されるという最悪の結末を迎えた。神戸市長田区の事件発生地では、近隣住民は朝から深夜まで警察や報道のヘリコプターによる騒音に悩まされているという。とくに不明女児と思われる遺体が発見された23日以降は押し寄せるマスコミ各社の質問攻めがピークを迎えていた。

「そら、亡くなった女の子のご両親の気持ち考えると、こんなことゆうたらいかんと思う。でも、ほんま我慢でけんで」(近隣住民)

 ヘリコプターの音で気が滅入り、家から外に出ると今度はマスコミからの質問攻めだ。マスコミ記者から「何か事件のことについて……」と聞かれるたびに、住民らは「何回、同じこと言わせるねん」と文句のひとつも言いたくもなる。

■飛び交う怒号「情報共有せえや!」

 ある近隣住民は、自宅から一歩外に出てから通勤のバス停に向かうまで、東京のテレビ局3社、地元テレビ局2社、全国紙大手2社から同じ取材を受けたという。取材だけならまだいい。腹立たしいのはマスコミ記者たちの態度だという。

「事件のことはよく知らないと答えると、『あ、そうですか?』と言いながらもうスタスタ歩いていきよるんです。お礼ぐらい言えんのか。で、また別のマスコミ記者から『事件のことご存知ないですか?』や。ええ加減にせえ思うで。マスコミ同士で、情報共有でけんのかいな?」(前出・同)

 遺体発見という事件が大きく動いた翌日、君野康弘容疑者が住むアパート住人がマスコミ各社大勢から取材を受けた際も、同じ質問を何度も繰り返すマスコミ記者たちに「情報共有せえや!」と怒鳴る場面がみられた。

 記者たちにすれば、初めてする質問でも、受け手である近隣住民たちは何度も同じ質問を繰り返しされている。通勤や家路に急ごうにも警察とマスコミが道を塞いでおり、歩くのも一苦労だ。これが事件発生以来、今も続いている。そのストレスは経験した者でなければわからない。特に、23日の遺体発見以降、増えた東京のテレビ局への不信感は近隣住民の間でも大きい。

商店に踏み込んでくる情報バラエティリポーター

「いきなりカメラ向けてきて、綺麗に化粧して派手な服きた情報バラエティの姉ちゃんがにこやかな笑顔で『君野のこと知ってますか?』って? よう言えるわ。それにうちは商売してるんや。モノも買わんと話だけ聞きに来る。ちょっと横暴ちゃうか?」(君野容疑者の住居アパート近くの商店経営者)

 だが、こうした騒ぎをよそに事件発生地に近いコンビニや飲食チェーンは、連日、マスコミ記者や警察官たちがやってくるので、普段にはない大盛況だという。コンビニでは「トイレを借りに来る」ついでに、タバコや菓子類を求める客が増えた。コンビニ店員は「恐らく記者さんたちだろう」と話す。

 事件のたびに大マスコミの取材手法が問題になるが、いい加減、反省してはどうか。

(文・写真/秋山謙一郎)

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