御嶽山噴火でなぜか勝間和代さんに非難の声

 長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(標高3067メートル)が27日昼前に噴火した。当日の頂上付近には登山客が集まり、長野県災害本部の正午時点の情報として、行方不明者が43人になったことを明らかにした。

 御嶽山の噴火は7年ぶりだった。地元周辺では約2週間から地震活動が活発化していたが、気象庁は前兆現象と判断せず、噴火を予知できなかったという。地震予知と比べて確度が高いとされる噴火予知ではその下敷きになるのは過去の観測データや年表記録。しかし、御嶽山は1979年の噴火が記録上初めてのものとされ、予知に関しては過去のデータに頼れない部分があった。そんな矢先、御嶽山の噴火に関連して、ネット上で思わぬ非難を浴びているのが評論家の勝間和代さんだ。

 勝間和代さんは、2010年の民主党鳩山内閣時代、事業仕分の評価者(仕分け人)として参加した。この時、火山監視予算について「大規模噴火は数千年に一度。警戒は無駄」という発言の上、火山監視予算を大幅縮小した。その結果、御嶽山は噴火予測のための観測強化の対象から外され、噴火を予測できず被害が広がったのだというのが非難派の意見。だが、これは勝間さんに同情すべきところが多い。援護するのはかつて“勝間本”を手がけていた男性編集者。

「勝間和代さんは“効率化のプロ”として呼ばれているので、その立場から発言しただけ。当時は勝間ブームもあって世間から拍手喝采だったはずです。事業仕分けの時は年間10冊以上も書籍を出していた人気絶頂期で、勝間さんの合理的な考えを世論が後押ししていましたから」

 実際、自民党政権に戻ってからも火山監視予算が戻った形跡はないので、御嶽山の噴火による被害の責任を過去の事業仕分け人、それも一般人に求めるのは無理がある。勝間和代さんを非難しても無意味で、なにも解決はしない。それよりも一刻も早い救出活動を望みたい。それこそ被害者の救助体制にぬかりはないか、こちらを監視すべきではないだろうか。

(取材・文/阿蘭澄史)

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