【中国闇ビジネス】自殺者の遺体を売りさばく"死体漁師"とは何か?

「クスリ、愛人、奥さん、子ども、眼ん玉に腎臓、肝臓……それに死体。カネさえ出せば何でも買える夢のような国、それが中国だよ(笑)」

 ブラックジョークを交えながら語るのは、中国・瀋陽の不動産ブローカー、李光燐氏(50歳・仮名)。1989年から1990年代後半まで新宿歌舞伎町で「裏稼業」についていた人物である。

 それにしても、人身売買や臓器売買はわかるが「死体」とは一体どういうことか?

「中国では条例によって死後の土葬が禁じられている地域が多い。でも、多くの中国人は昔ながらの土葬を好む。土葬がバレると罰金取られたり、下手すれば逮捕されるから、病死したり、自殺した農村の人の遺体を火葬用の”ダミー”として買うわけだ」

村ぐるみで死体ビジネスを取り扱っている

 気になるお値段のほうは?

「ピンキリだけど、だいたい一体500元(約8500円)から1700元(約29000円)くらいが相場。金持ちじゃなくても、都市部の人間にとってはたいした金額じゃない」

 中国農村部の平均的な年収は2000元(約3万4千円)。一体売れば、年収に近いカネが手に入るのだから、貧困に喘ぐ農村では村ぐるみで「死体ビジネス」や人身売買を行っているケースも多いという。

「公安や地方政府の幹部は賄賂をもらっているので、黙認している。中国はカネがあれば犯罪さえも合法だ」

 中国北西部の甘粛省の省都・蘭州市郊外を流れる川(黄河)には、漁師ならぬ「死体漁師」がいるというから驚く。

「中国は世界一の自殺大国。高層ビルディングが立ち並ぶ蘭州から流れてくる自殺者の遺体を採り、〝死体市場〟に売ってカネにする」

 中国において命の値段が安いのはよく知られた事実だが、「死体ビジネス」は民間だけのアングラ商売ではない。特殊な腐敗防止加工を施した死体を世界各国に”輸出”し、「Body Worlds」という名の展示会を各地で開催しているのは有名だ。

「囚人や死刑囚、あとは戸籍のない〝黒い子ども〟の死体を集めて、見世物にする。文化大革命時代からの、お家芸の一つだよ」

 こんな国が、いまや世界第二位の経済大国となり、世界を席巻しつつあるのだ。

(取材・文/小林靖樹)

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