日本のストリートダンスシーンが一般人を巻き込んでブームを巻き起こしたのは、1980年代後半にテレビ朝日系列で放送された『DADA L.M.D.』や、同時期にフジテレビ系列で放送された『ダンスダンスダンス』。そして、なんといっても日本テレビ系列『天才・たけしの元気が出るテレビ！』の人気コーナーだった「ダンス甲子園」からはじまる。
『DADA L.M.D. 』では、ZOOの全身であるL.M.D.というダンスチームが誕生。EXILEのHIROがZOOのメンバーだったことは、有名な話しである。『ダンスダンスダンス』では、MEGA MIXというダンスチームが活躍。MEGA MIXは、後のtrf（現・TRF）のダンサーたちである。
現在も『24時間テレビ』（日本テレビ）の1コーナーとして残る「ダンス甲子園」では、LL BROTHERSや山本太郎などの人気者を輩出した。
番組の人気もともない、ダンスに興味のない人もダンスを見る機会が増えたことで、ダンスをはじめる人が多く見られた時代でもある。
しかし、番組の終了と同時にダンスブームは下火に。そんななか、1998年に第2波が訪れる。
日本初となるダンス専門チャンネルも開局
ブームを呼び戻したのは、1998年に放送が開始された、TRFのSAMがナビゲートする『Gパラダイス RAVE2001』（テレビ東京）。放送されるや、再びダンス人口は増加。多くの人気ダンスチームを輩出した同番組は、SAMがダンスステップをレクチャーするコーナーがあり、これを見てダンスを習いたいという人が増えたのだ。
ストリートやクラブでダンスが踊れる人を真似たり、教えあったりしてきたストリートダンスから、ダンススクールに通うという意識の転換が生じたのはこの時期である。
そして先日、スカパー！ にて、日本初のダンス専門チャンネル『ダンスチャンネル by エンタメ〜テレ』が開局。キッズダンスの基礎から、トップダンサーの超絶テクニック、ダンスバトルの裏側ドキュメンタリーまでダンスのことならなんでも見れちゃうというチャンネルが誕生している。
現在、ダンスが義務教育の一環として取り入れられたり、踊れるアーティストに憧れるキッズの影響で、ダンス人口は増えつつある。こうした現状のなか、同番組がどのような影響を与えるかが楽しみである。
（取材・文／角政光＜bashment＞）