秋G1開幕…スプリンターズS “絶対買い”特注馬は?

【中央競馬・今週の狙い馬】

 お風呂から上がればリセット。余韻に浸らず悔しさもお湯とともに流してしまうのが日曜日の晩の常だが、先週は違った。神戸新聞杯の結末は◎ワンアンドオンリーが3着で○のトーホウジャッカルは3着に奮闘。ところが2着のサウンズオブアースが無印ときた。9番人気であれほど頑張ったトーホウと酒井騎手に重い印を打ったからこそ当てなければならない予想ではないか……。気持ちを切り替えて秋最初のG1に挑みたいと思う。

 華やかなシーズンのスタートを飾るスプリンターズS(10月5日・日曜/新潟競馬場)。その見どころと注目馬をピックアップしてみたい。

オッズも旨み必至! マヤノリュウジンの大外一気だ

 従来の中山競馬場と違い、新潟競馬場で施行される。まずはそこに意識を置く必要があるだろう。広大な舞台が印象的な新潟だが、スプリント戦は内回りコースである。外回りコースとは大きく設定が異なる。直線は360m弱。コーナーがきつくペースも緩みにくいのが特徴だ。形態から直線だけでまとめて差し切るのは難しく、馬群が早めに進出することが多いため先行勢にとっても楽ではない。好位や中団につける正攻法のスタイルが吉と出やすいコースだと認識している。

 ここまで記しておきながら、大胆な追い込みが身上のマヤノリュウジンを推すことを許してほしい。条件級の時代から大仕事ができる器だと信じ続けている。昨年の当レースで3着。7歳を迎えた今年は体力がつき、夏の連戦にもへこたれていない。

 持論に過ぎないが、晩成のスプリンターはポジショニングを下げることで成功するように思う。

 1992年バルセロナ五輪男子100m走金メダリストのリンフォード・クリスティ選手を覚えておられるだろうか。若い時期は貧困のため練習環境に恵まれず体力がなかったが、年齢を重ね恵まれた素質が開花。豪快な追い込みで世界の頂点に立った。馬にもあてはまると感じたのはそのときである。

 1999年の高松宮記念を制したマサラッキ。2010、11年と同レースを連覇して8歳で有終の美を飾ったキンシャサノキセキなど、年齢に逆らうには差し脚を磨くことだと考えている。マヤノリュウジンの脚力は今年のメンバーでは一枚上だろう。大外から突き抜ける芸当は可能だ。

実力牝馬ストレイトガール、伏兵アフォードにも注目

 ストレイトガールは成長と実戦をバランスよく溶け合わせる藤原英昭厩舎らしく着実に力をつけてきた。高速馬場、荒れ馬場に関係なく対応できハートも強い。怖い牝馬だ。

 臨戦過程で注目してみたいのがアフォード。暑さに弱く夏場を充電期間に充て予定通りに直行して挑む。変化は進化。陣営の意気込みは頭に入れておきたい。

藤村和彦(ふじむらかずひこ)
競馬解説者。1992年から2010年までデイリースポーツ社で記者、デスクとして中央競馬を担当。現在は、週刊『競馬ブック』誌上での「藤村和彦のインタビュールーム」連載、ラジオ関西「競馬ノススメ」(毎週土曜16時30分〜17時)レギュラーなど、フリーで競馬予想、競馬解説、コラム執筆などの活動をしている。
公式サイト/netkeiba.com|No.1予想 藤村和彦

(Photo by nabecci via Flickr)

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