"ブラック"批判にユニクロ柳井氏が求人パンフで反論「人事制度変えた」

 ここ数年、ユニクロの母体であるファーストリテイリングは社員を酷使するブラック企業と評され、事実、社員の離職率は非常に高い。

「柳井さんに憧れて入社しました。でも、やはり理想と現実は違って、凡人は彼のようには働けるわけもありませんでした」

 と語るのは、元社員の1人。休日もバックヤードで電話帳ほど分厚いマニュアルの暗記が必須で、社内試験に合格しないと居づらい雰囲気を作られるという。職場の厳しさは生半可なものではない。

「私は、ユニクロの人事制度を、根本から変えることにしました」

 止まらない人材流出を打破するためか、柳井正会長が打った対抗策が、店舗に高級な社員募集のパンフレットを置くことだった。現在、ユニクロ店舗のレジ横には、フルカラー24ページもの分厚い正社員募集のパンフレットが山積みされている。

<あなたの「こう生きたい」をかなえられるユニクロに。>

 とタイトルが書かれたパンフレットは写真メインで、一見すると写真集を手に取ったようなしっかりした作り。紙も名刺ほど分厚く、しっかりしている。

 国内のユニクロ店舗は853店舗。仮に各店舗に500部ずつ置いたとしても、43万部を超す。

「フルカラーで写真がほとんど。この印刷だと、1冊当たり最低25~40円はもらわないと割りに合いません」(印刷会社)

 ということは、862(店舗)×500(部数)×25(円)で、印刷代だけでも1000万円をこのパンフレットにかけている試算となる。

 パンフレットの最終ページを飾るのは、淡いグリーンのセーターを爽やかに着こなした柳井会長のグラビア写真と、入社希望者への言葉だ。

<私は、ユニクロの人事制度を、根本から変えることにしました。(中略)一人でも多くの人が、将来振り返った時に、いい人生だったと思える。このパンフレットを手にしたあなたと、ぜひ一緒に作っていきたいと思います。 柳井正>

 他にも、並ぶ言葉は耳障りのいいものばかりだ。

<残業の削減や週休2日制の徹底>

<産前・産後休暇や育休、時短勤務も。あなたのライフスタイルい合わせて働けます。>

 まるで脱ブラック企業と言わんばかりに書かれている、言葉の数々。しかし、なかにはこんな気になる一節も。

<私は、仕事は社会への最大の貢献だと考えています>

……果たしてユニクロの職場環境は変わるのか。今後も定点観測していきたい。

(取材・文/大伯飛鳥)

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