イラン富裕層のセレブ自慢に批判殺到「イスラム国でイメージ悪かったんで」

 日本でも北大生が渡航計画を画策するなど、世界の注目を集めるイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」(ISIS)。イラク北部を中心にシリアにも勢力を拡大し、近隣のアラブ諸国は懸念を表明し、アメリカ軍のシリア空爆にも参加するなど対イスラム国の様相は日に日に強まっている。アメリカの宿敵・イランですらシリア空爆は支持しなかったものの、イラクへの支援を表明。まさにアラブ諸国全体を巻き込んだ事態に発展している。

 そんななか、イラン国内にも徐々に緊張が張り詰めつつある……と思いきや、そんな雰囲気を一切感じさせない層が存在した。それが、イランの首都、テヘランで生活する富裕層の若者たちだ。

セレブな若者たちの何でもアリな生活

 彼らは自らを“Rich Kids Of Tehran”と称し、インスタグラムやツイッターを更新している。インスタグラムから、そのリッチな生活がうかがえる写真を紹介しよう。

Photo by @richkidsoftehran

 写真を通して見える彼らの生活からは、紛争のピリピリムードや私たちが想像するようなムスリムならではの厳しい生活が一切見えてこない。

 例えば、ヒジャブだ。ムスリムの女性は、肌を隠すためにヒジャブと呼ばれる布を頭に巻かなければならず、過度な肌の露出も禁じられている。しかし、彼女たちは堂々とビキニを着て、露出度の高いワンピースやドレスを身につけている。

 さらに、ムスリムは飲酒も禁じられているはずだ。それなのに、彼らは堂々と酒を飲み、高級車を乗り回し、クラブで遊んでいる。

 これについて、“Rich Kids Of Tehran”の投稿者はインスタグラムで「私達はテヘランが大好きで、テヘランがどれだけ美しいところかを見せたいんです。貧富の差を見せつけるだなんてことは決してありません。中東は、いつも負の要素で注目を集めていますが、それとは違うテヘランの一面を見せたかった。このページには政治的な意味はなく、悪気があるわけでもありません」と声明を発表している。

 “リッチ・キッズ”たちがいる一方で、“Poor Kids Of Tehran”というインスタグラムのアカウントも存在する。

Photo by @poorkidsoftehran

 こちらのアカウントはまだ開設されたばかりのようだが、テヘランに住む子どもや生活の様子がアップされている。“Rich Kids Of Tehran”に反発して誰かが開設したのかと思いきや、プロフィール欄を見ると、どうやら投稿者は“Rich Kids Of Tehran”の投稿者と同じ人物のようで、完全に一般市民の生活を切り取っているとは言いがたい。投稿されている子どもの画像も広告なのか、ロゴが入っているなど作りこまれたものばかりだ。

 実際に貧困層が多く存在することは誰もが承知しているが、あまりにも両者の格差が目立ちすぎる結果に憤りすら感じる。

富裕層には紛争も関係なし?

 発展途上国を支援する「ワールド・バンク」調べによると、イランの貧困率は2005年時点で8.0%と中東では低い方であるが、世界水準で見れば高いと言える。

 いずれにせよ、イランの富裕層の若者たちの生活ぶりには、各地で驚きの声があがっている。反響と批判の大きさに驚いたのか、現在は“Rich Kids Of Tehran”のインスタグラムは非公開に、ツイッターもツイートの多くを削除してしまっている。

 “Rich Kids Of Tehran”に写っている若者の多くは、イラン国内の支配階級の親族だと伝えられており、彼らには彼らの生活があり、はなっから貧困層の存在など眼中になかったのかもしれない。

 しかし、イランの富裕層の生活を見る機会はなかなかない。今後、批判が収まった頃にまたSNSを公開し、そのリッチな生活っぷりを見せつけてほしいものだ。

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