[プチ鹿島のオヤジジャーナルどっと混む]

松島みどり法相「うちわ騒動」で下世話なダジャレ報道の餌食に

 誰に頼まれてもいないのにウオッチを開始したらおもしろくなってきた「オヤジジャーナル」。今では私のライフワークである。

 新聞、週刊誌、スポーツ紙、タブロイド紙など、世の中の情報のほとんどは「オヤジが発信してオヤジが受信する」のではないのか?オヤジジャーナルを追ってゆけば「マスコミの正体」もぼんやり見えてくる気がするのだ。

 特徴のひとつを言おう。オヤジジャーナルの大好きなモノ、それは「ダジャレ」である。会社や家庭でダジャレを言うおじさんよろしく、メディアでもオヤジたちは直球を投げ込んでくる。それをズバーンと受け止めるのもまたオヤジ。

 最近私がソワソワしたのは「蓮舫VS松島みどり」のアレだ。民主党の蓮舫参院議員が、松島みどり法相が選挙区内で配布した「うちわ」が公職選挙法に違反しているのではないかと追及した件。「これはうちわですね」「うちわと解釈されるならば」 などの問答が続いたあの件。

 今回の話題で絶対言ってはいけない言葉は「うちわもめ」「うちわうけ」だ。誰でも浮かぶからだ。想像してほしい、言ってる自分を、もしくは周囲の誰かが言い切ってる顔を。みんなが赤面する。

 でもまさか言ってないだろうなぁオヤジは。使ってないだろうな。よし、念のため調べてみよう。この話題が出た7日の参院予算委員会の翌日のスポーツ紙を見てみた。すると……。

・《“うちわもめ”蓮舫氏 松島法相追及「公選法違反じゃないんですか」 》(スポニチ)

・《松島法相vs蓮舫議員 うちわモメ》(日刊スポーツ)

 スポーツ紙の二大巨頭がそのまま「うちわもめ」でまとめていたのだ。嗚呼。それにしてもこの松島みどり氏は、オヤジがつけて茶化す「オヤジ的あだ名」とも相性がよい。いつも赤い服をきてることから「消防車」と永田町では呼ばれてるらしい。つけられるほうもあれだが、つけるほうのセンスもすごい。嗚呼。

 それだけではない。最新号の「週刊新潮」では、

《「赤いきつね」と「緑のたぬき」は、口にしたことのない人はいないのではないかと思えるほど老若男女に親しまれている。さて、現在国会では「赤いみどり」の存在が物議を醸している》

 と、「赤いみどり」とドヤ顔で呼ばれてしまった。

「赤いストール」の一件でも無駄に注目を集めた松島氏。しばらくそのユルさとオヤジジャーナルからの待ってましたイジリに注目である。

著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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