【競馬予想】G1秋華賞の本命・ヌーヴォレコルトがくるか、大荒れか

【中央競馬・今週の狙い馬】

 秋G1もいよいよ本番。今週は牝馬三冠レースの最終関門となる秋華賞(10月19日/京都競馬場/芝2000m)だ。前哨戦を勝ったオークス馬のヌーヴォレコルトが順当に二冠目奪取か、それとも伏兵による波乱があるのか。プロの答えはこれだ!

イメージほど波乱は多くはないレース

 京都の芝2000mは内回りで直線は330m弱。コーナーを4つ回るというシンプルな形態だ。懐が深いとはいえないコースに、フルゲートの18頭がひしめき合う。秋華賞の厄介なところはそこだろう。

 実力が図抜けているか頭数が少なければ、淡泊な競馬になりやすい馬場である。昔、河内洋調教師が騎手時代に、「外を回っても力で押し切れる」と話してくれたことを思い出す。ところが牝馬三冠目は頭数が揃ううえ、毎年のように展開が読みにくい。一転して難しいコースに様変わりしてしまう。

 こうして書き連ねると大荒れの連続ように感じられるが、イメージほど波乱は多くはないレースだ。平穏とまではいかないが、馬券圏内に突入する馬も好走可能な下地を持っている。人気薄でも意外に前走の着順がよかったりするのだ。まずはこの点を頭に入れて、注目馬をピックアップしてみたい。

やっぱり強い! 素直にヌーヴォレコルト◎

 伏兵陣を挙げるまえに、1番人気が予測されるヌーヴォレコルトについて触れなければならないだろう。拍子抜けするようで申し訳ないが、やはりこの馬は強い。 素直に本命でいいと思う。実績が秀でていることは当然として、臨戦過程がいい。栗東トレセンに滞在して調整を施されて本番に向かう。実はこれ、前哨戦のまえから決まっていたという。

 ローズSが6kg減。アバラ骨が浮き出て細いぐらいの仕上がりだった。ひと夏越えての始動戦としては身体をつくりすぎなのではないかと懸念してしたのだが、西の地に残るという筋書きがすでにあったのだ。あの勝利の意味は大きい。きっちり仕上げられて勝ったことで反動が少ないうえ、身体を緩めて回復させて本番仕様のボディをつくりあげていくという手段が可能になる。

 実際、今は身体に張りがあり、それでいて皮膚は薄い。涼しい眼をしており、精神的にも安定しているのだろう。そしてインパクト十分の勝ち方を披露したことで、他陣営に対して気持ちの面でさらに優位に立ったのではないか。岩田騎手との相思相愛ぶりはどのレースを観ても際立っている。この馬を中心に組み立てて問題ないだろう。

馬券で必ず押さえたい相手はこの4頭!

  ということで相手探しに絞ってみたい。ローズS3着のタガノエトワール。未勝利戦の映像を観ていただくと前走がフロックでなかったことがわかる。キングカメハメハ産駒特有のパワフルな脚力を持ち、キャリア4戦とは思えない堂々とした雰囲気がある。

 同厩舎のサングレアルは瞬発力が素晴らしい。直線の長い外回りコースより反応のよさで勝負できる内回りコースのほうが間違いなく合う。

 マーブルカテドラルは母系のエリシオの血が騒ぎ始めたのか、クイーンSでは道中の立ち回りに落ち着きがあった。直線で詰まったのは残念だったが、余した脚を今回で使ってほしい。

 善戦ホースの印象が強いブランネージュだが、身体に張りがあり、確実な上積みを伝えてくる。追い比べになればおもしろい存在になるだろう。

藤村和彦(ふじむらかずひこ)
競馬解説者。1992年から2010年までデイリースポーツ社で記者、デスクとして中央競馬を担当。現在は、週刊『競馬ブック』誌上での「藤村和彦のインタビュールーム」連載、ラジオ関西「競馬ノススメ」(毎週土曜16時30分〜17時)レギュラーなど、フリーで競馬予想、競馬解説、コラム執筆などの活動をしている。
公式サイト/netkeiba.com|No.1予想 藤村和彦
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