【エボラ出血熱】日本入国ジャーナリスト男性の「陰性」がまったく安心できないワケ



 エボラ出血熱がついに日本上陸かーー。27日の午後3時30分過ぎ、ロンドン発の全日空(278便)で羽田空港に到着したジャーナリスト男性の近況を各メディアが一斉に伝えている。この男性はリベリア滞在歴を申告し、体温を測ったところ37.8度あったため「エボラ出血熱感染」の可能性もあることで国立国際医療研究センターに緊急搬送されている。
 厚生労働省によると、詳しい血液検査の結果、ジャーナリスト男性から「エボラウィルス」は検出されず、陰性との結果が発表された。だが、発症から間もないために陰性となった可能性も否定できず、これから3日程度は経過観察を続けるという。

 また、このジャーナリスト男性については当初、「日本人」という憶測が広がったが、ニューヨークタイムズの前東京支局長である日系カナダ人のO氏であることが、すでに明らかになっている。だが、ここで不安を投げかけるのは某週刊誌のデスクだ。

「このO氏と思われるニューヨークタイムズの署名記事がどれも衝撃的すぎるんです。西アフリカの地で、エボラ出血熱の患者や多くの死体と接したと思われる画像が何枚も掲載されている。いずれも驚くような至近距離まで迫っている。ということは本人が最前線で取材していて、エボラ出血熱のホットスポットにいたことになる。この直後に“発熱”という事実は、決して楽観視できないんです」

 たしかにニューヨークタイムズでO氏の署名記事(※画像参照)を見てみると、西アフリカの「エボラ出血熱」の猛威を至近距離から撮影するなど果敢な取材活動がうかがい知れる。間違いなくO氏は、「エボラ出血熱」の最前線で取材活動していたことが分かるのだ。だが、その一方で、「リベリア国内では病院に行ったり、患者と接触したりしたことはない」(10月28日・産経新聞)と自らの取材活動を否定するようなことを語っている。なぜ自らの行動を隠すような真似をするのか。この矛盾は何を意味するのか。 

 このタイミングでの「陰性」は決して安心できるものではない。日系カナダ人ジャーナリストの経過観察からは依然として目が離せない状況が続いているのは確かである。

(取材・文/阿蘭澄史)
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