日本テレビにアナウンサーとして内定しながら、過去にホステスのアルバイトをしていたために内定を取り消されたとして、同局を相手取り訴訟を起こした笹崎里菜さん(22)。11月10日発売の『週刊現代』(講談社)がスクープしたものだが、11月13日発売の『週刊新潮』(新潮社)が続報を伝えている。
夏目三久の〝コンドーム事件〟を引き合いに
同誌によると、2013年9月、大学3年生だった笹崎さんが日テレに提出するよう求められた「自己紹介シート」には、学歴や職歴情報を記載する欄が設けられていた。が、「すべてのアルバイト歴を記載せよ」との注意書きはなかった。そのため、笹崎さんはドラッグストアや居酒屋でのバイト歴を記載したが、美容室やクラブでのバイト歴は記載しなかったという。
その後の本試験や役員面接でも「自己紹介シート」をもとに質疑応答がなされたが、「その他に何かアルバイトをしていたか?」といった質問は一切なかった。
すさまじい競争倍率をかいくぐり、内定を得て、研修にも参加していた笹崎さん。だが3月に行われた内定者顔合わせ会で、日テレがアナウンサー内定者の肖像権の管理に厳格であることを知り、モデルのアルバイトをしていた頃の写真がネット上に残っていたこともあって、過去に母の知人に頼まれ銀座のクラブで働いていたことを人事担当者に説明したという。
その場では「大丈夫」と言われたものの、その後人事部長は過去に“コンドーム写真”が報じられた夏目三久の例を出し、週刊誌に書かれることを引き合いに「傷がついたアナウンサーを使える番組はない」として内定辞退を勧告。取消の場合の理由については誓約書の一項目である<申告に虚偽の内容があった場合>に該当すると説明されたという。
「NHKにだってホステス経験者はいる」
あきらめきれない笹崎さんは、人事部長宛てに手紙を宛てたものの、
「貴殿の経歴は、アナウンサーには求められる清廉性に相応しくない」
として、採用内定取消通知書が送付された。もちろん企業には、原則て採用基準等に関する「採用の自由」が広く認められているのは事実だが、合理的理由なくして「ホステス(水商売)は清廉ではないから採用を取り消す」というのは、職業差別ともいえるのではないか。
これに対してネット上でも賛否両論が巻き起こった。
「アナウンサーが夢と言うのなら、どんな理由にせよ水商売のアルバイトはするべきではなかった。軽率」
「女子アナ目指してる奴が水商売したらダメだろ」
「たぶんアゲ嬢ブームの時にホステスバイトをしていて、水商売への偏見を甘く見ていたんでしょうね」
と彼女を批判する声もある一方、
「泣き寝入りしたくないと思うか、その程度の会社と思って見限るか。どちらにしてもこの理由で内定取り消しはおかしい」
「自分達(企業側)はキャバクラとかで散財してるんじゃないの? ブランドものを買うために水商売でバイトしてる子もいるかもしれないけどやらなきゃ生活できなかったり学校に行けない子もいるんだよ」
「これで日テレが敗訴しなかったらおかしいので是非和解せずに判例として原告勝訴でお願いしたい」
と日テレの対応に疑問を持つ声も多い。また、「裁判した後に入社出来ても気まずそう……」と、彼女に同情する声も少なからずあった。
ちなみに、“清廉性”の観点については、民放以上に厳しそうなNHK関係者でさえ首をひねる有り様だ。
現職の同局アナウンサーは、「入社前の水商売アルバイトがNGなんて話は、聞いたことがないですね。実際、NHK内にだってホステスやコンパニオン経験者はかなりいますよ」とDMMニュースの取材に語っている。
11月14日から始まるこの裁判で、「労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」訴訟を起こし、日本テレビにアナウンサーとして就職することを求めている笹崎さん。勝っても負けても、また和解であっても、著しく消耗する戦いであることは想像に難くない。日テレには、どうか前途ある女性の未来に思いを至らせてもらいたいものだ。
(取材・文/チロル蝶子)