[山本太郎の政界デッドボール放談]

解散風が吹く政界で山本太郎が咆える「日本の野党は第二、第三の自民党だ」

「大企業による社会支配は止めなくてはいけない」

 僕は、2013年の選挙で公約として「脱被曝」「TPP入らない」「飢えさせない」、この3つを掲げました。これ、すべて、今の政治は誰がコントロールしているのかということに繋がってくるんです。

 政党でも政治家でもない。それは表舞台の人形であるに過ぎません。実際にコントロールしているのは大企業であり大資本なんです。

野党が第二自民党、第三自民党のような状態

 皆さんに、いま、時代は新自由主義、コーポラティズム(大企業による社会支配)の流れの中にいるんだよ、ということを伝えたい。だからこそ、人々を被曝させてでも原発事故の矮小化を続けている。日本の原発も再稼働させなきゃいけないんです、海外に原発を売る為に。

 政治が存在している意味は何なのか。今行われている政治というものを見たときに、それは間違いなくこの国に生きる人たちには向いていない。政党だって、自公連立政権だけじゃなくて、大きな野党は、第二自民党、第三自民党のような状態になっている。

 消費税OK、原発段階的廃止でOK、集団的自衛権OK、だったら1つの党になっちゃえばいいのに。ならないですけどね、プロレスですから。プロレスに失礼ですけど。

 大企業の利害関係議員が今、目指しているのが大企業への大減税です。減った税収はどうするか?、皆さんに増税するしかないでしょ。いま、企業にかかる法人税の実効税率は34.62%になっています。でも、その34.62%でホントに払ってんのか? って、財務省主税局に電話して聞いたんです。そしたら、34.62%丸々払っている企業はひとっつも存在しないって言うんですよ! 

アベノミクスは搾取を“成長”に見せかけているだけ

 でも、当然なんです。

 大企業が税逃れをできるような素晴らしい80ものシステムが、この国には存在するから。税率0.006%!みたいな大企業がゴロゴロ存在してる。800億円近く儲けて、500万円しか納めないみたいな。なのに、さらに減税? その尻拭いは、皆さんです。

 羨ましいっー、じゃなくて、ふざけんな!ですよね。

 安倍政権は「アベノミクス、アベノミクス」って調子のいいこと言うてましたけど、もはや自民党さえこの言葉、ほとんど使ってないですからね。何で言わなくなったかと言ったら、失敗がすでにバレてるからですよ。「成長」といいながら、実際は搾取を成長に見せかけているだけだったんですよね。一部企業の利益を上げていくために。

 一番わかりやすいのは4月~6月期のGDP(国内総生産)速報値です。年率換算でマイナス6.8%からマイナス7.1%に下方修正されましたよね。

「全国津々浦々まで景気回復を実感するのは、すぐそこですよ」

 と言い続けていたのに、結局、この有様です。リーマンショックを上回るぐらいの惨状が数字として表れている。もうはっきり言ってアベノミクス終わってますから、この先、数字として悪い状況しか生まれてこない。

 今回踏み切らなくても、最終的には消費税は上げられるでしょう。それ以降も企業への税率を下げるために携帯電話に課税したり、名前を変えていろんな形で税金を搾り取るんじゃないでしょうか。

 皆さんのケツの毛まで抜くという状況を着々とセッティングしようとしている。こんなデタラメが許されていいワケがない。「ないとこから取るな!」ですよ。

 大企業が、本来支払うべき税金をちゃんと納めていれば、消費税なんて悪どい税法は廃止にできるんです。富裕層に対して、昔のようなちゃんとした累進制の課税ができる仕組みが復活すれば、多くの人々の生活は今よりも楽になるんです。

 自分たちの利害関係者「おともだち」だけを守る為の政治、皆の力でヒックリかえしてやりましょう。あなたが、周りの人に、今の政治のデタラメを伝える事から、それは始まります。

著者プロフィール

参議院議員

山本太郎

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。

公式サイト/永田町恐怖新聞
公式ブログ/山本太郎の小中校生に読んでもらいたいコト

(取材・文/DMMニュース編集部)

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会