失脚した中国共産党最高幹部の一族がDQNネームすぎて話題に

不正蓄財の総額は7000億円(写真はcctvより)

 いま、中国では習近平国家主席による「反腐敗キャンペーン」が激烈を極めている。末端の役人はすでに2万人近くが更迭され、いまやその矛先は「虎=中国共産党の大物」に向かっており、「虎狩り」の動きはとどまるところを知らない。

 12月5日には、前政治局常務委員の周永康氏が収賄や職権乱用、機密漏洩などの容疑で逮捕。中国全土に衝撃が走った。中国では、党の最高幹部である常務委員(現在は7名)経験者は半永久的に刑事責任を追及されることはないとされてきただけに、前代未聞の出来事だった。

裸の女性を乗せ、フェラーリで大事故を起こす

 さらに12月22日には、胡錦濤前国家主席の側近の令計画氏が「重大な規律違反があった」として党の取調べを受け、失脚した。胡錦濤国家主席の秘書時代に「大番頭」として権勢をふるい、一説には7千億円近い資産を不正に蓄財したと言われており、京都に妻名義で大豪邸も所有している。

 また、2012年3月には、北京市内で長男が裸の女性2人をフェラーリに乗せて交通事故を起こし、うち一人は死亡。もう一人も重傷を負うという惨事を招いて後に大騒動になった。このとき、口止め料として億のカネが遺族に渡ったという。まさにやりたい放題であるが、この令計画氏の一族は、中国でも有名な「革命家族」の1つであり、これまで栄華を極めてきた。

 しかし、今回の失脚により、一族もろとも没落することは間違いない。それが「三国志」時代から続く、中国の常道といっていい。

日本のDQNネームも真っ青! 令一家の“とんでもネーム”

 さて、今回は別に中国内部の政治闘争について言及したいのではない。筆者が注目したのは、令氏を含め、その兄弟たちの奇妙すぎる「名前」である。

 そもそも、「令計画」という名前を新聞で見たとき、何かの政治的計画かと勘違いしてしまった。が、それも当然だった。知人の中国人に尋ねても「計画なんて名前は聞いたことがない」と言うのだから。

 実は、令計画氏は5人兄弟なのだが、他の兄弟の名前もかなりキテいる。上から順番に並べてみよう。

  • 令路線
  • 令政策
  • 令方針
  • 令計画
  • 令完成

 もはや「何事なんだ」と言いたいレベルのキテレツなネーミング。日本で「自民、民主、みんな、維新、共産」などと、子どもに名づけるようなものか(ちょっと違うか)。しかし、令兄弟の場合、日本のDQN子弟たちと違って、「名は体をあらわす」を地で行く超エリートだったのが、すごいところ。

 長男の令路線氏はすでに死去しているが、次男の政策氏は、山西省政府の元幹部(今年6月に失脚)で、末弟の完成氏は元新華社通信の社員。現在は民間会社の経営者である。

 唯一の娘・方針の婿「王健康」氏は、山西省の地方都市で副市長の要職についていた。もともとは他人であるはずの婿まで「健康」ときたものだ。そんな一家が、中国共産党の「路線・政策・方針」に背いて、一族の財と地位作りを「完成」させ、その権力を利用して「不健康」極まりない汚職を働いていたというのだから、まったく笑えない話である。

 粛清された彼らは、今後、その立派すぎる名前を背負ってどんな人生を送っていくのだろうか。せめて「健康」にだけは気をつけてもらいたいものだ。

(取材・文/小林靖樹)

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