【異常気象】寒波と大雪が日本を襲う原因は?

ナイアガラの滝の水面も凍るほどの寒波が日本到来か

 例年にない強い寒波が日本列島を襲っている。

 日本気象協会が発表した天気予報によれば、31日大晦日から元旦にかけて強い寒気が日本列島に流れ込み、東京でも朝は0度前後まで冷え込む。また、日本海側では「10年に1度の大雪の恐れがある」として、気象庁が「異常天候早期警戒情報」を発表。年越し大寒波が日本列島を襲いそうだ。

 それにしても、今シーズンの冬の寒さは異常と言える。この猛烈な寒波を引き起こしている原因はいったい何なのか。

 一説には「極渦」が原因とされている。極渦とは、北極や南極の上空にできる、大規模な気流の渦のこと。温暖化により北極の気温が上昇すると、北極圏を取り囲むようにして流れているジェット気流が弱まり、北極圏から寒気が漏れ出して流れこんでくる。そこに、エルニーニョ現象で西高東低の冬型の気圧配置が崩れた日本列島に、低気圧が通過。大雪と寒気をもたらしているというわけだ。

アメリカではマイナス30度を記録。日本でも同様に……

 この極渦の乱れが原因とされる寒波は、すでに世界各地で発生している。特に、アメリカでは2014年1月にマイナス30度を記録。かの有名なナイアガラの滝まで凍りつきかけた。そして、2014年11月には南国のハワイでさえもマイナス0.6度を記録し、大寒波の恐ろしさをまざまざと見せつけた。

 実は、2013年7月に海洋研究開発機構の研究者がアメリカの気象学会誌『Journal of Climate』に次のような研究結果を発表している。

「日本付近では8月平均気温の標準的ブレ幅が1979年以降大きくなっており、広い地域において0.3℃~0.5℃の増加となっている。これは、冷夏や猛暑の頻度の増加や冷夏や猛暑の深刻度が高まったことを示唆している。

 データを解析した結果、グリーンランド海の水面温度の変化が大気に強い影響を与えており、月ごとの平年並みの天気と、起こりやすい異常気象が変化した。これらのことから、2015年頃から北半球が寒冷化するかもしれない」

 今回、日本を襲う年越し大寒波が「極渦の乱れ」を原因とするならば、アメリカと同様の凍てつく世界が日本を襲うことになる。寒さとそれに追随する被害に厳重な警戒が必要だ。

(取材・文/DMMニュース編集部 写真/Shaheen Karolia)

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