[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年1月16日放送で「酒蔵の助け合い」について取り上げていました。
「灘五郷」とは、兵庫県西宮市から神戸市灘区にかけての酒造りの盛んな地域で多くの酒蔵が並ぶ、西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5つを言います。
阪神淡路大震災の起きた1月17日というのは冬の酒造りがピークの時期でした。
白鶴記念博物館(Hyougushiさん撮影、Flickrより)
その日も灘五郷では早朝から作業が行われていて、当時は多くの木造の蔵もありましたがそのほとんどが地震で倒壊してしまったといいます。
震災を何とか乗り越えて細々と守ってきた酒蔵も、20年という年月が経って新たな課題に直面しているそうです。
名酒の危機を救った酒蔵の粋な計らい灘の地酒「大黒正宗」。
兵庫県産の米と灘五郷が誇る名水を使い、杜氏が丹精込めて醸すこの地酒は多くの人に愛されてきました。
大黒正宗を作るのは創業1751年の「株式会社安福又四郎商店」です。
ピーク時は年間200万本を出荷していましたが、現在は社員6人で年間2万本を出荷する小さな酒蔵です。
阪神大震災では木造の酒蔵10棟がすべて倒壊し、酒造りが絶望的になりましたが、1年後には酒造りを再開しました。
生産量を震災前の10分の1に減らすことで質の良い酒を作ることに方針転換し、蔵の生き残りを賭けたのです。
ですが震災から18年後、鉄筋の蔵が老朽化で使えなくなってすべての蔵を失うことに......。
新しい蔵を作る予算もなく廃業の危機に陥りましたが、そこで救いの手を差し伸べたのが、同じ灘で酒造りをする業界最大手の「白鶴酒造」でした。
白鶴酒造が大黒正宗の為に蔵を貸出しして酒造りをサポートしているのです。
ライバルを買収するのではなく、"共存"をしようと手を差し伸べた白鶴酒造の粋な計らいが感じられますね。(ライター:ツカダ)