「R-1ぐらんぷり2015」優勝は誰の手に!?

画像はオフィシャルホームページより

『R-1ぐらんぷり2015』の決勝が迫っている。「R-1ぐらんぷり」はピン芸日本一を決めるお笑い賞レース。2002年から毎年行われており、今回で14回目を迎える。

 予選を勝ち抜いて決勝に進んだのは、厚切りジェイソン、エハラマサヒロ、アジアン馬場園、NON STYLE石田、やまもとまさみ、じゅんいちダビッドソン、ゆりやんレトリィバァ、あばれる君、とにかく明るい安村の9人。ここに敗者復活戦(復活ステージ)を勝ち抜いた3人を加え、12人が決勝に挑むことになる。

 ファイナリスト9人の顔ぶれを見ると、ベテランから若手まで、有名芸人からあまり知られていない芸人まで、バランスよく選出されていることが分かる。NON STYLE石田は2008年の『M-1グランプリ』のチャンピオン。やまもとまさみは2014年のR-1王者。ビッグタイトルの優勝経験者も揃っている。

 そんな豪華なメンバーが顔を並べる中でも、今大会の注目度ナンバーワンは、厚切りジェイソンだ。芸歴わずか4カ月のアメリカ人。日本の漢字を勉強している中で、納得いかないところに激しくツッコミをいれるというネタが大ウケ。2014年の年末特番『有吉のお笑い大統領選挙2014』に出演して、一気に知名度を上げた。少し前に「ハーフ芸人」がブームになったことがあったが、今回のR-1をきっかけに厚切りジェイソンがブレークすれば、そこから「外国人芸人」のブームが起こる可能性もありそうだ。

 また、そんな厚切りジェイソンに負けず劣らず濃いキャラクターを持っているのが、とにかく明るい安村。2014年にアームストロングというコンビを解散してピン芸人になった彼は、パンツ一丁で舞台に上がるカラダを張ったピン芸で『さんまのまんま』『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』などの人気番組に立て続けに出演。厚切りジェイソンと並ぶネクストブレーク候補だ。

 ただ、優勝は誰なのかというのは、また別問題だ。勝敗はその場の空気に左右されるので、正確な予想は難しい。しかも今年は、決勝メンバー9人に加えて当日決まる敗者復活者が3人もいる。過去に例のない混戦となるのは間違いない。

過去最高の大混戦を制するのは誰だ

 現時点で最も優勝に近い人を選べと言われたら、やまもとまさみ、エハラマサヒロ、じゅんいちダビッドソンの3人を推したい。やまもとまさみは何と言っても昨年の王者。R-1の歴史では、過去にもなだぎ武が2連覇を達成している。やまもとは記者会見で「3連覇を目指します」とも語っていて、意気込みは十分。卓越した演技力を武器にしたネタでまずは連覇を狙う。

 エハラマサヒロは、ものまね、歌ネタ、ダンス、漫談など多彩な芸を持つ。歌のうまさを買われてミュージカルにも出演している。「R-1」では二度の準優勝の経験もある。エハラの強みは、一般大衆にウケるメジャー志向のネタからお笑いマニアに支持されるマイナー志向のネタまで芸の幅が広いということ。その器用さを生かして今度こそ優勝をつかめるか。

 じゅんいちダビッドソンは、昨年に続いて2年連続の決勝進出。2014年にはサッカー日本代表の本田圭佑のものまねで話題となり、さまざまなバラエティ番組にも出演した。彼のネタは、本田のものまねキャラをベースにしながらも、そこに独自のひねりが加えられているのがポイント。進化したものまねネタは決勝の舞台でも評価されるはず。

 また、敗者復活戦に参戦するメンバー41人の顔ぶれも豪華だ。スギちゃん、キンタロー。、小島よしおといった有名どころから、R-1王者の中山功太、R-1決勝常連のヒューマン中村まで、誰が勝ち上がってもおかしくない。過去最高クラスの熱戦が予想される『R-1ぐらんぷり2015』は、2月10日(火)19時から関西テレビ・フジテレビ系で生放送される。

ラリー遠田
東京大学文学部卒業。編集・ライター、お笑い評論家として多方面で活動。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務める。主な著書に『バカだと思われないための文章術』(学研)、『この芸人を見よ!1・2』(サイゾー)、『M-1戦国史』(メディアファクトリー新書)がある
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