昨今、自動運転に関する報道が急増している。その理由は、日米欧の自動車メーカー各社、さらにはIT企業が公道実験を始めたからだ。
そうしたなか、気になることがある。“飲酒運転”についてだ。
■ 未だに古い認識がまかり通っている
モーターショー等の会場で、一般の方に「自動運転があると便利か?」と聞くと、「お酒を飲んでも、安心して家まで帰ることができる」という回答が多い。
時を遡ると、1950年代のアメリカ。“未来のクルマ”として、自動運転構想が語られるようになった。
当時の発想は「クルマの中が、まるで家のなかにいるような雰囲気」というもの。家族団らんで、着座位置もリビングルームのようなイメージ。
だが、さすがに車内にお酒の絵は登場しない。当時、飲酒運転について取り締まりが現代と比べて多少緩かったとはいえ、飲酒運転を助長するようなコンセプトイメージはNGだ。
■ 発想の転換が必然
ところが最近、筆者が自動車技術関連の各種シンポジウムや学会で、「自動運転があると便利か?」と、先と同じ質問を日米欧の自動車業界関係者に聞くと、
「お酒を飲んでも、安心して家まで帰えることができる」という一般人と同じ回答が多いことに驚く。
こうした回答は、あくまでも“理想像”だ。まったく現実的ではない。なぜなら、現在世界各国で協議されている自動運転では、車内での飲酒は不可能だからだ。お酒を飲んだ人は、運転席に座ってはいけないのだ。
現在、アメリカとドイツが主導して自動運転に関するガイドラインを策定している。簡易的な自動運転から、完全自動運転まで5段階として説明している。
そのなかで、完全自動運転であっても“ドライバーは運転状態に戻ること”が前提だ。