「子供を返せ!」日本人男性を巡るタイ代理出産騒動のその後

体外受精で次々と子供を産ませた奇怪な事件は法廷沙汰に発展

 2月19日、タイの立法議会は国内での代理出産を規制する法案を賛成多数で可決した。それには世間を騒がせたあの日本人男性の“代理出産問題”が関係しているという。

 資産家の息子であるM氏は、日本国内では婚姻関係のない代理出産はできないため、タイへ渡航。女性たちと性行為を持つこともなく、体外受精の末、10人以上の子供を産ませたとされている。生まれた子供たちはまとめて、ベビーシッターや代理母たちがタイのアパートやカンボジアの家で育てていた。

「子供たちは政府に保護されている」

 タイ在住のジャーナリスト・デューク斎藤氏はタイでのM氏の行動を明かす。

「M氏は頻繁にタイに訪れては、赤ちゃんをいとおしそうに抱っこして散歩する姿が目撃されています。その時に『私の子供です』と子供たちだけ紹介をし、一緒にいた女性たちのことは、『ベビーシッター』と紹介していたそうです」

 ここまでは報じられている通り。しかし、今年になってタイ国内でこの問題が大きく動き始めたと続けるのだ。

「現在、M氏の子供たち9人は、政府に保護されている。あれから半年、ついに業を煮やした代理母たちが『どうせなら私が産んだ子は自分で育てたい!』と政府に申し立てを始めた。しかし、声を上げたのは女性たちだけではなかった。M氏自身も1月、子供を引き渡すようタイ政府を提訴。子供たちを巡って政府を巻き込んだ大問題に発展しています。

 実はここ数年間、M氏がタイ国外へ連れ出せたのは1人の男の子だけ。政府としても複数の非嫡出子を出国させることはできないと判断した」

 タイ政府としてもM氏から事情聴取をする必要があるため、渡航命令を出している。にも関わらず、本人は姿を見せず、弁護士を使って逆に提訴を行っているような状態なのだという。

 子供たちを幸せにできるのは、生物学上実の父親であるM氏か、それともおなかを痛めて産んでくれた代理母なのか──子供たちに選択の権利はないのが気になるところだ。

(取材・文/大伯飛鳥)

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