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株主総会で敗れた父・勝久氏が「新大塚家具」旗揚げか!?|プチ鹿島コラム

株主総会で敗れた父・勝久氏が「新大塚家具」旗揚げか!?|プチ鹿島コラム

 先週金曜27日は注目の激突が花ざかり。フジテレビは「世界フィギュアスケート選手権」、日本テレビは「プロ野球開幕戦・巨人VS横浜」、TBSは「サッカー日本代表VSチュニジア」、テレビ朝日は「古舘伊知郎VS古賀茂明」を放送した。しかし、この日もっとも注目を集めた対決は他にあった。大塚家具の株主総会だ。創業者の大塚勝久会長と大塚久美子社長の父娘対決である。

考えてみれば駅だって「大塚」だけでなく「新大塚」がある

 最近は暗いニュースばかりのなか、大塚家具はここ1か月にわたってにぎわかな話題を提供してくれた。人は、大塚家具の話になるとどこか顔がほころぶ。難しい知識がいらないからだ。経営問題はわからなくても、親子の争いは下世話さで乗り切れる。久美子社長は大塚家具の生地・春日部で育ち、その頃から「かぐや姫(家具屋姫)」と呼ばれていたというが、今回の騒動でオヤジジャーナルはその異名をさっそく広めた。そして遂に株主総会を迎えた。

 スポーツ紙やタブロイド紙は大きく伝えるはず。それを確かめるべく私は株主総会翌日の28日の全紙を購入してみた。おもな見出しを並べてみる。

『61%支持め 娘が圧勝 父嘆き 母激情』(日刊スポーツ)

『公開親子げんか「醜態」』(スポーツニッポン)

『大塚家具お家騒動“家具屋姫”の勝ち』(デイリースポーツ)

『おわびセール実施へ』(サンケイスポーツ)

『久美子社長父に勝った 大塚(お)家(騒動決着)具』(東京中日スポーツ)

※トーチュウはサッカーの見出しも『ハリ(キ)ル』だった。細かいオヤジ芸が光った。

 では夕方に発売される新聞はどうだったか。

『かぐや姫“報復粛清”あるのか』(東京スポーツ)

『株価は乱高下の末下落』(夕刊フジ)

『久美子社長勝利 社員粛清に戦々恐々』(日刊ゲンダイ)

 どうだろう、朝刊紙とくらべてシビアな切り口がわかると思う。朝と夕のメディアの読み比べも興味深い。そんななか、日刊ゲンダイにはこんな小見出しもあった。

『父・勝久氏は「第2大塚家具」設立に動くのか』

 私は今回の騒動が起きた頃から、プロレスの新団体旗揚げのように、どちらかが大塚家具を飛び出して「新大塚家具」を設立すればよいと主張してきた。考えてみれば駅だって「大塚」だけでなく「新大塚」がある。大塚家具と新大塚家具があってもおかしくはない。どちらかが丸ノ内線になればよい。

 しかしいちばん手っ取り早いのは、しばらくは売り場の1階を娘、2階を父のやり方で展開し、どちらのフロアの売り上げがすごいか競争するのがベストかもしれない。

 こういうことをいくらでも話せる大塚家具、にぎやかな話題をありがとう。

著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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