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【イエメン】緊急医療物資と救急外科チームがアデンの港に到着

麻酔薬や手術器材など緊急医療物資1.7トンが無事到着したアデンの港。

 紛争状態にあるイエメン南部の都市アデンの港に4月8日、麻酔薬や手術器材など緊急医療物資1.7トンを載せた船舶が無事到着した。船はジブチから出発し、国境なき医師団(MSF)が手配した。イエメンでは国内各地での武力衝突に加え、3月26日以降は空爆が始まり、医療ニーズが膨らんでいたが、空港や港湾の閉鎖など移動制限のため人道援助の提供が阻まれていた。一方、MSFの救急外科チームも別の船で到着。人員・物資ともにMSFが市内で運営している救急外科施設に補充される。

増加する医療ニーズには不十分

イエメンでMSF活動責任者を務めるマリー=エリザベート・アングルは「アデンの施設で活動しているチームは疲弊し、物資のひっ迫も現実味を帯びていたため、人員・物資が無事補充されたことは喜ばしいです。ただ、この暴力的な状況下で負傷する人は後を絶たず、さらに追加の人員と物資が求められています」と訴える。

 物資はすでにMSFがアデン市内で運営している医療施設に届けられた。今回の救急外科チームはMSFスタッフ5人で構成され、赤十字国際委員会の貨物船でアデンに到着した。MSFは近日中に、チャーター便による首都サヌアへの追加医療物資の空輸も計画している。

 イエメンで暴力が激化した3月19日以降にMSFが受け入れた患者は780人を超え、そのうちアデン市内の病院は600人以上を受け入れている。MSFのイエメンにおける活動は1986年に始まり、2007年以降は継続的に行われてきた。現在、サヌア、アムラン、アデン、アッダリ、ハッジャ、ラヘジ、アビヤンの各州で医療プログラムを運営し、国内各地の緊急事態に対し医療援助を提供している。

※情報提供:国境なき医師団(MSF)日本

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