栄養が豊富なうえ、赤ちゃんの免疫力も高める母乳。しかし産後は母体の健康状態が安定しづらかったり、なんらかの理由で母乳による育児が出来なくて悩む母親は少なくない。そのような母親をターゲットに、近年注目を集めているのが、インターネットで顧客に母乳を売買する母乳バンクの存在だ。
イギリスでは実際に、国民保険サービス公認の母乳バンクが全国にあるという。
だが、その母乳バンクを利用するには、疾病のある乳児や未熟児を抱えていることが条件とされており、誰もが自由に利用出来るという訳ではない。
イギリスの医療系機関誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」によると、そうした状況のなか、規制を設けていない未認可の母乳バンク市場が急速に拡大を始めているという。要するに、ネット上で「母乳を買いたい人」と、「母乳を売りたい人」とを結びつけるサービスである。
これは何も外国に限った話ではなく、インターネットで「母乳、購入」と検索すると、日本国内にあるいくつもの母乳バンクがヒットする。
そうした母乳バンクのサイトを見てみると「母乳は搾乳一週間以内のものを、クール便で発送するので安全安心」などと注意書きがされているが、問題は別にあると専門家は注意を呼びかけている。
もとより母乳は血液で出来ているもの。そこには当然、HIVをはじめ感染症の危険性も大いにある。
インターネットで取引される母乳は、母親が自分の子供にあげた母乳の余りであることが多いというが、どのような状態で搾乳されたかは定かではない。使用器具がきちんと殺菌処理されていなかったり、母親がきちんとウイルス感染の検査を受けていない、といった可能性もある。
過去にイギリスで行われた調査では、ネットで購入された100件のサンプルのうち、90件で細菌の増殖が認められたという。つまりこれは不十分な殺菌や、不適切な保存がされていたということである。また、違法ドラッグが混ざった母乳や、牛乳で薄められたものもあったというから安全もクソもあったものではない。
見知らぬ女性の母乳が必要ということは、それ相応の覚悟があってのこと。だが、民間の母乳バンクを利用するにはあまりにもリスクが大きい。
「ネットで母乳を買う男たち」に、専門家から“アウト!”の声
2015.04.17 17:00
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