東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震のあと、携帯電話、スマートフォンから鳴る緊急地震速報のアラートがひときわ不気味に感じられたひとは多いだろう。いっぽう、あのような地震早期警報システムが存在するのは、日本やメキシコ、アメリカ西海岸などわずかな地域だけらしい。
それは、地震を検知する地震計を各所に設置し、その情報から瞬時に警報を発するネットワークの構築が容易ではないからだ。ところが、スマートフォンが普及してさえいれば、そんな大がかりなインフラを必要とせずに、地震早期警報システムが可能になるという研究を、アメリカ地質調査所(USGS)が発表した。
■ スマホが地震計の代わりになる
ご存じのひとも多いとは思うが、地震早期警報システムとは、規模の大きい地震の発生を検知して即座に警報を発信し、震源地から離れたエリアのひとが、揺れが到達する前に地震の発生を知り、早めに対処できるようにすることを目指したものだ。
しかし、冒頭にも書いたとおり、世界的に見れば、大地震が起こりえるエリアでさえ、地震早期警報システムがカバーしている人口はほんのわずかだ。
USGSのサイトによれば、スマートフォンやその他の携帯デバイスが広く使われている地域なら、クラウドを使って大地震の際の緊急地震速報が可能になるという。既存の警報システムがないエリアでも、ずっと低いコストでシステムが構築できるし、既存のシステムがあるエリアでもそのシステムをサポートすることが可能になる。
研究によれば、スマートフォンなどの携帯デバイスに内蔵されたGPS受信機は、専用の機器より精度は劣るが、地震によって起こる地表の動きを検知できるという。そこで、登録ユーザーのスマートフォンからの情報をクラウドを使って集めることで、地震を検知し、分析し、地震警報をユーザーに発信することができるのだ。
■ 中規模の地震は検知できない
研究者たちは、マグニチュード9を記録した日本の東北地方太平洋沖地震の実際のデータや、マグニチュード7クラスの地震のシミュレーションからクラウドを使った地震早期警報システムの可能性を検証した。