近年では『ゆるゆり』や『桜Trick』など、以前に比べて百合アニメの本数が増えてきました。
2015年春アニメだと、『ミカグラ学園組曲』や『レーカン!』も広い意味では百合アニメと言えそうです。
そんな、ほのぼのした(?)百合アニメとは一線を画す作品があります。
『 神無月の巫女 』。今回はこの作品をご紹介いたします。
■神無月?巫女?どんな話なの?
この物語は、陽の巫女に選ばれた来栖川姫子が、月の巫女である姫宮千歌音と協力しあい、邪神オロチの野望をくじくという内容です。非常にシンプル。
しかしそれは、あくまで目的に過ぎません。キャラクター達はロボットに乗って戦うものの、メインはあくまで姫子と千歌音の百合! 男性キャラクターも女性以上に出てきますが、それでも百合!
男もロボットもラスボスもあくまでオマケ、良くてスパイスと言わんばかりの濃厚な百合ストーリーが展開されます。
■百合っていうけど、どれくらい百合なの?
百合にも色々あります。例として『桜Trick』など、人によっては「百合じゃなくてレズだ」、「いやギャグアニメだ」などと意見が分かれることもあります。
しかし『神無月の巫女』、この作品は百合です。それも紛うことなきガチ百合。どれくらいガチかと言うと……血が流れます。誰の何の血かはさておき、姫子と千歌音の関係は一筋縄ではいきません。
引っ込み思案だけど優しくて可愛い姫子。生徒会副会長で男女問わず人気があり、才色兼備な千歌音。
惹かれ合いながら手と手を取り合い同じ敵に立ち向かう二人ですが、そこには諍いや裏切りが介在し、やがてすれ違い、決別することになります。好きだから、想うがゆえに傷つけてしまうのです。そういう、やさしい世界とはかけ離れた辛く厳しい戦いの世界。
そんな世界で、二人は果たして結ばれるのか? というのが、他の百合アニメにはないこの作品の醍醐味なのです。
■ストーリーだけじゃない! 魅力は他にも……!
まずキャラクターが可愛い! 『円盤皇女ワるきゅーレ』の介錯が原作であり、その持ち味が遺憾なく発揮されています。2004年のアニメなので、少し時代は感じるもののそれでも文句なしに可愛い!
また、主題歌・挿入歌にKOTOKOさんを起用しており、「Re-sublimity」や「agony」といった名曲が作品の世界観をより一層重厚なものにしています。
機会がなくても一度は聴いていただきたい曲たちです。もちろん、アニメ映像に合わせて。
ストーリー、キャラクター、音楽、全てが百合になる――。そしてラストには最高のカタルシスが待っています。
そんな『神無月の巫女』、是非ご覧いただきたい作品です。
(あにぶ編集部/koku)