カナダのトロントで発生した人騒がせな事件がネット上で話題になっている。
5月24日の早朝、とある男性から警察に救助を求める通報があった。「アサルトライフルを持った父が家の中で暴れている。今クローゼットの中に隠れているので助けてほしい。」と男性は悲痛な叫びをあげており、警察はただちに警官隊を現地に派遣した。
後にこの通報は全て男性の作り話だったことが発覚するのだが、すっかり話を信じ込んでいた警官隊は住宅に突入すると、そのまま無関係の住人を拘束し強制連行してしまったという。
この手法は海外では「Swatting(スワッティング)」と呼ばれている。もともとはオンラインゲーム発祥のイタズラで、インターネットでゲーム実況をしている配信者の自宅にSWAT(特殊部隊)を送り込んで笑いものにするというドッキリの一種である。視聴者は面白いかもしれないが、嘘の通報で出動させられる関係者にしてみれば冗談では済まない話だ。近年スワッティングは北米で急増しており、社会問題化している。
匿名の男性から通報を受けた警察は、10人以上もの警官隊を完全武装させてリッチモンドヒルに急行した。警官隊は住居内に突入すると、その場で世帯主のヴィンセント・イェン氏を跪かせて取り押さえた。
何が起きているのか全く理解できず困惑するヴィンセント氏。住居内にも争った形跡が無かったため、警官隊は件の通報がイタズラだったことを悟る。
匿名の男性の通報を受けたオペレーターは、迫真の演技だったのでイタズラだと見抜けなかったとコメントしている。しかもご丁寧なことに、ヴィンセント氏の自宅の電話線を遮断する工作まで施されていたというから呆れた話である。
悪質なスワッティングのターゲットにされてしまったヴィンセント氏は、「何故自分が狙われたのか全く分かりません。」と不快感を露わにしている。警察も「本件はイタズラでは済まされない重大な犯罪である」とコメントしており、犯人の特定を急いでいるという。