【プロ野球】横浜DeNAベイスターズ 悲劇の10連敗を生んだ3つの要因

大失速の原因とは!?

 劇的な逆転勝ちを連発、貯金を2桁に乗せ単独首位に立っていた横浜DeNAベイスターズだが、交流戦でまさかの大失速。3勝14敗1分け勝率.176で断トツの最下位となり、首位から陥落した。

 3日の対ソフトバンク・ホークス戦から最終戦の対日本ハム・ファイターズ戦までは、まさかの10連敗。最大11あった貯金を使い果たし、現在借金生活へ突入している。この大失速の原因はどこにあるのだろうか。

 リーグ戦時は、強力打線とリリーフ陣の粘りで躍進してきたベイスターズ。交流戦でも勢いそのままに勝ち進むとの見方が大半だった。リーグ戦ではチーム防御率3.18とリーグ5位とはいえ、安定した数字を示していた投手陣。しかし、交流戦に入ると投手陣が崩壊。交流戦での防御率は4.73で11位。失点は93と12球団ワーストとなってしまった。

 しかも10連敗のうち、リリーフに黒星がついた試合は5試合もある。ここまで粘りで勝負してきたチームにとって、リリーフ陣の不調は大きな痛手だった。特に新人ながらクローザーの重責を完璧にこなしてきた山﨑康晃や、28試合投板で14ホ ールドあげていた田中健二朗に黒星がついてしまったことも、リリーフ陣の綻びを象徴するものだった。

スタート失敗も大きな原因

 また、リーグ戦躍進の立役者でもある4番の筒香嘉智が右太もも裏を痛め、DH制のある試合以外はスタメン出場できなかったことは痛かった。リーグ戦時は、打率、打点、本塁打の三部門でトップに立っていたが、交流戦では13試合の出場、45打席で無本塁打。打点もわずかに1と、大ブレーキ。長打も、13安打のうち二塁打がわずかに2本と、リーグ戦時.580とハイアベレージを誇った長打率も.366とチームが誇る長距離砲としてはかなり物足りない数字となっている。負傷による影響は否めないが、4番として8試合出場して打点1という数字は、低迷の一因として挙げられるのは必然だろう。

 もともと、ベイスターズは交流戦を苦手にしている。通算成績は105勝160敗3分けで12球団最下位。戦前から不安は囁かれていた。そこに来ての初戦の相手が、13勝30敗1分けと対戦成績上、最も苦手にしているオリックスバファローズ。結局1勝2敗と負け越しで交流戦をスタートさせる結果となり、流れに乗れなかったのも大ききな要因なのだ。

 まさかの失速に落胆するファンは多いだろう。しかし、10連敗を喫しながらもリーグ順位は2位。首位とはわずか1.5ゲーム差と、優勝は十分射程距離にある。悲観的になるにはまだ早い。ここからの巻き返しに期待したい。

(文/井上智博)

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