植物すんげぇ!植物界では自ら遺伝子の組み換えが行われていた。サツマイモから発見された”外来生DNA”(ベルギー研究)

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植物すんげぇ!植物界では自ら遺伝子の組み換えが行われていた。サツマイモから発見された”外来生DNA”(ベルギー研究)

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 品種改良のため遺伝的性質を改変した遺伝子組み換え作物については、長年議論が繰り広げられてきた。

 だが、最新の研究によれば、自然は自らの力で遺伝子組み換え作物を生み出しているという。サツマイモはまさにその良い例だ。そして、これはどうやら数千年も続けられてきたことで、人間は知らないうちに大昔から遺伝子組み換え作物を食べてきたようなのだ。

 サツマイモから”外来生DNA”を発見し、それが天然の遺伝子組み換え生物を含有していることを示したのは、ベルギーのゲント大学と国際ジャガイモ研究所(International Potato Institute)の研究者だ。

 天然の遺伝子組み換え作物が発見されたのは今回が初めてではない。だが、主要作物であるサツマイモからの発見は初の事例だ。研究者によれば、世界中のサツマイモにこうした遺伝子組み換えが存在するという。

 

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 これは”遺伝子の水平伝播”と呼ばれ、通常の母細胞から娘細胞への遺伝ではなく、個体間や他生物間において遺伝子が取り込まれる現象である。アグロバクテリウムという土壌細菌は、T-DNAという自己のDNAを植物に転移させることができるが、今回の研究では、このT-DNAがサツマイモから発見された。アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアで291個のサツマイモの標本を調査した結果、それら全てにアグロバクテリウムの証拠が見つかっている。

 研究に携わったリーバ・ゲイセン博士によれば、アグロバクテリウムT-DNAが自然のサツマイモに存在し、進化を通して安定して遺伝されてきた事実は、種の垣根を越えて、DNAが交換されている可能性を示す格好の例だという。
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