「俳優は不向き」なEXILE卒業メンバーが映画・ドラマ進出を加速させるワケ

EXILE Official Websiteより

 人気グループ「EXILE」の松本利夫(旧名・MATSU=40)、MAKIDAI(39)、USA(38)の3人が同グループのパフォーマーを年内で卒業することが6月22日に発表された。

 といっても今後もEXILEのメンバーであることに変わりはないといい、今後はグループに所属しながらソロとして松本は劇団EXILEで『松組』を立ち上げて演技に注力し、USAはダンサーとしての活動を重視、MAKIDAIはDJ活動を軸に音楽やパーティーのプロデュースに力を入れていくという。

 古参メンバーの卒業は高齢化が目立っていたEXILEの若返り策の一環とみられているが、ソロになったメンバーたちに対してネット上では「俳優業に手を出すのはやめて!」という声が殺到している。業界内からも一部で「ドラマや映画の世界に卒業メンバーが押し掛けてくると困る」という意見が出ているが、なぜそこまで警戒されているのか。

ドラマ・映画業界に卒業メンバーが大量進出?

 EXILEといえば、弟分の三代目J Soul Brothersなども含めて各メンバーが俳優業でも活躍している。だが、その評判は決していいものではなく、むしろ評価は散々といったところ。しかし、あくまでメインは音楽活動というスタンスだったため、アイドルの役者進出と同じく大目に見られていた部分があった。

 だが、近年はドラマや映画に対する事務所サイドの売込みに熱が入っており、どちらが本業か分からなくなっているという。

「かつては音楽面で業界トップの売り上げを誇っていたEXILEですが、ここ最近は目に見えて勢いが低下。アーティストとしてよりもアイドル的な人気が強くなったため、高齢化によってファン離れが起きてしまった結果です。その代わり、三代目J Soul BrothersやE-girlsなど派生ユニットが好調ですが、これもアイドル的な水モノの人気であるため将来的にどうなるか分からない。これを打開するためにメンバーの世代交代と、ドラマ・映画への進出を強めているのです」(芸能関係者)

 それはすでに業界内で顕著であり、古参メンバーの卒業が決まったからといって改めて警戒するほどではなさそうに思える。しかも今回の卒業メンバーは今後の進路にドラマや映画への進出を掲げていないが……。

「飛びぬけて人気のメンバーは別にして、大半は『EXILE』にいるから人気があるのが実情。卒業後の進路をそれぞれ語ってはいるものの、AKB48メンバーが卒業後に低迷しているのと同じく、簡単に上手くいくとは思えません。であれば、EXILE・元パフォーマーの肩書きを使って事務所のゴリ押しでドラマや映画への出演を続けるしかない。ギャラが比較的安くて共演NGもないため、制作サイドにとっては断る理由がないのが困りものです。現場が起用を嫌がっても、上層部がOKを出してしまう」(前同)

伝説級の棒読み…「棒神様」と酷評される演技力

 もし俳優業に本格進出したとしても、卒業が決まった松本やMAKIDAIは数々の作品に出演してきたために演技の経験が豊富。役者として成長していれば問題ないように思えるのだが……。

「俳優業進出は事務所の社長でリーダーのHIRO(46)の戦略的な意向のため、実はメンバーたちはあまり乗り気でない。自分たちはダンスボーカルグループだというプライドがありますからね。その結果、畑違いの現場を荒らしておきながら彼らはあまり演技の練習をせず、素人レベルから成長しない。才能がないのなら仕方ありませんが、努力すらしないのですから現場はつらいですよ。これは今回の卒業メンバーに関しても感じられたことです」(ドラマ制作関係者)

 松本はファンの間で「EXILE一の演技派」と呼ばれているが、昨年秋に出演したドラマでの演技は酷評の嵐。MAKIDAIに至っては一昨年に放送された主演ドラマ『町医者ジャンボ!!』(日本テレビ系)やNHK朝ドラで見せた伝説級の棒読みぶりから、ネット上で「棒神様」というあだ名がつけられている。

 これが改善される見込みがないのであれば、制作サイドが脅威に感じるのも無理はない。視聴者にとっても棒読み演技を度々見せられるのは苦痛だ。しかし、その傾向も将来的には和らぐのではないかという指摘もある。

「若手中心の三代目J Soul BrothersやGENERATIONSなどは、すでにEXILEがアイドル化した状態でグループに入ってきているメンバーが多いので『アーティスト意識』がそれほどない。変なプライドがないのでドラマや映画にも喜んで出演し、演技力を磨こうという努力も感じられます。古参メンバーはあまり歓迎されていませんが、若手のメンバーはジャニーズタレントよりもギャラが格安で使いやすく、人気も高いので重宝される傾向になっている。今のところ演技が達者というレベルにまでは達していませんが、将来有望なメンバーはいますから期待はできます」(前同)

 若手の成長は期待できそうだが、古参メンバーたちの動向に現場が戦々恐々とする状況は続きそうだ。

(取材・文/夢野京太郎)

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