芸人・チャンス大城のすさまじい話|プチ鹿島の『余計な下世話』

芸人・チャンス大城のすさまじい話|プチ鹿島の『余計な下世話』

「すべらない話」といえばダウンタウンの松本人志さんだが、同じ尼崎出身でこんな奴もいるのかという芸人もいる。その名はチャンス大城。「すさまじい話」を持つ40歳のピン芸人だ。今回はそんな彼を紹介してみたい。

 彼と知り合ってからはもう15年を超えるのだけれど、少年時代のすさまじい話はいつも楽屋の華だ。 チャンス大城はずっとイジメられっ子だった。メロンを盗んで来いという命令は最終的に「霊柩車を盗んでこい」になった。「あとで散々謝りましたがその時は必死でした。免許取って最初の運転ですよ!そのまま霊柩車でキャンプ場へ行ってバーベキューしたんです」(大城談)。

 大城は心臓が右にある。医学用語では「内臓逆位」という。『北斗の拳』にも内臓逆位のキャラがいたため、付いたニックネームは「サウザー」。ある日そのすさまじいニックネームの噂を聞きつけた隣の中学の番長がやってきた。「オイこら、サウザー出てこいや!」。校門で叫ぶ番長に、大城は慌てて駆けつけた。

「どうもサウザーです......」。

 弱々しく自己紹介する大城を見ながら、全校生徒が窓から指を差して笑っていた。そんな大城自身もやんちゃなところがあり、10代の頃、父親が寝ている部屋に野犬を放した。すぐに父親の悲鳴が聞こえた。そのあと大城はずっととぼけていたが、翌週に家族で教会へ行ったときに懺悔を決意したという。

「懺悔をしなさい」。牧師は小窓の向こうから諭してくれた。大城は父親への罪を告白した。次に大城の父親が懺悔の部屋に入った。野犬に噛まれて包帯だらけの父親の顔を見た瞬間、牧師の「小窓」は高速で閉まった。本人登場に、牧師は笑いをこらえて肩が揺れていたという。牧師さんも大変だ。

 野犬と言えばこんな話もある。大城は定時制高校に通った。夜間に集う同級生は年齢も職業も異なる。そんな夜間クラスに年に一度の文化祭のシーズンがやってきた。ホームルームで決まった出し物は「ドッグレース」。犬はどうやって用意するのかと思っていたら、「同級生」のトラック運転手が「大城、つかまえに行くで。助手席に乗れ」。

 工場の空き地まで行くと野犬がいた。年上の同級生の命令を受け、大城は必死で野犬をつかまえた。車の中で野犬の背中にスプレーで「ゼッケン」を書いた。

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