薬も変わる!? 男女の痛みの感じ方は「経路が違う」可能性が判明

| FUTURUS
薬も変わる!? 男女の痛みの感じ方は「経路が違う」可能性が判明

ある男性が女性に対して、なぜ君はいつもどこかが痛いのかと問う。一方で女性は男性に対し、あなたに耐えられないような痛みを私はたくさん抱えていると応じる。こんな口論に身に覚えはないだろうか。

ひとたび男女が喧嘩すれば、およそ無関係などんなことにでも飛び火するので、十分に起こりうる言い争いだ。

ところで、先日こうした男女の違い関する興味深い研究が発表された。世界でも権威のある学術雑誌のひとつ『Nature』の姉妹誌で、神経科学の専門誌『Nature Neuroscience』に掲載された論文によると、マウスの雄と雌では痛みは異なる細胞を使って処理されることが初めて分かったという。

■  痛みの処理回路は“男女同じ”と考えるのが一般的だった

研究チームは、この発見が私たちの痛みについての理解や、「慢性疼痛」を処置する次世代の治療をどのように発展させるかに遠大な含意をもつとする。従来は痛みを処理する“回路”が男女同じだと考えられていて、男性と女性では痛みに対して異なる敏感さを持ち、また痛みが長期間続く「慢性疼痛」を多くの女性が男性よりも経験していると言われてきた。

だが今回、マギル大学やトロント小児病院の研究員からなるチームは、小膠細胞(microglia)と呼ばれる免疫系の細胞によって、傷や炎症の部位から痛みが神経系を通じて伝達されるという学説を検証。

■ 雌のマウスでは異なるタイプの免疫細胞が機能

研究で分かったことは、これが雄のマウスの場合のみ正しいということ。小膠細胞の持つ様々な機能のひとつによって雄のマウスでは痛みが効果的にブロックされたのに対し、雌のマウスでは同様の効果が見られなかったそうだ。研究チームによると、雌のマウスでは、“T細胞”と呼ばれるまったく異なるタイプの免疫細胞が痛みの警告を発していると考えられるが、これがどのように起きているかは分からないままだという。

筆者のひとりMichael Salter氏は「痛みの経路と男女差を理解することは、次世代の、もっと洗練された、目標を定めた痛みの薬物治療をデザインする上で極めて重要だ」と強調。

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