イエローストーン国立公園の地下に眠る時限爆弾。スーパーボルケーノの噴火によってアメリカで9万人の犠牲者が生まれ、核の冬が到来すると専門家が懸念(米)
[画像を見る]
アメリカ北西部には、合衆国に核の冬を到来させるおそれがあるスーパーボルケーノ(超巨大火山)が存在する。
仮にイエローストーン火山が噴火すれば、その威力は、周辺に甚大な被害をもたらした1980年のセント・ヘレンズ山の大噴火よりも1千倍は強力なものになるそうだ。今のところ、7万年に及ぶ休止状態にあるが、これがいつの日か噴火する可能性を否定することはできないと専門家は懸念している。
米ワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州に跨るイエローストーン国立公園内の巨大火山は、大量の溶岩溜まりの上に鎮座しており、大陸珪質火山域としては世界最大の火山の1つである。これまで70万年に一度の頻度で噴火しており、最後の大噴火は64万年前のことだ。
専門家によれば、マグマ、岩石、二酸化炭素、その他のガスの混合物が地下から押し上げられ、次第にドーム状の亀裂が形成されるという。そして、溶解したガスが爆発したとき、国立公園一帯に膨大な量のマグマを放出する。
推定によれば、噴火が起きれば直ちに9万人が命を落とし、公園から1600kmの範囲に溶融灰が3mも降り積もる。この灰によって、陸路が完全に塞がれ、大気に放出される灰とガスによって航空機の運行も阻害される。
火山からの硫黄ガスは大気中で水蒸気と混ざり合う。これがカーテンのように日光を遮断し、気温が下がる。こうして世界中で農作物が育たなくなり、深刻な食料不足を引き起こす。これが専門家が懸念する破局のシナリオだ。
[動画を見る]
Grand Prismatic Drone
だが、こうしたシナリオには、あらゆる専門家が同意するわけではない。昨年、米地質調査所が発表した研究では、イエローストーンの火山が噴火すれば、国中の街が灰で覆われ、航空網や通信網が遮断と予測している。しかし同時に、これがよく言われるような終わりの到来を告げるものではないとも記載されている。
「アッシュ3D」というプログラムで大噴火の影響をモデル化したところ、イエローストーン国立公園から480kmの範囲にある都市は1m近い火山灰で覆われることが示唆された。しかし、中西部は数cm、ニューヨークやカリフォルニアなどの沿岸沿いの都市は2.5cm程度しか積もらない。
[画像を見る]
とはいえ、その被害はやはり甚大なものだ。火山灰の堆積によって建物の崩壊、あるいは下水や水路の詰まりが発生し、道路などが利用できなくなる危険もある。
また、噴火によって火山灰の傘状雲が作られ、これが地震によってあらゆる方向に等しく広がる。噴火自体が風邪を作り出して、全米の主要な気候パターンである偏西風を打ち負かすのだ。こうした雲が年間を通した冬を作り出す。例えば、インドネシア中西部にあるタンボラ山が1815年に噴火したときは、1000kmの範囲に火山灰が降り注ぎ、世界中で「夏のない年」が訪れたと言われている。
[画像を見る]
イエローストーン火山はこれまで3度ほど大噴火を起こし、1000km3の火山灰が吐き出された。最初は210万年前、次が130万年前、そして最後が64万年前のことである。これによる火山灰は東海岸や西海岸のいたるところから発見されている。また、それ以降も小規模な噴火が7万年前まで続いていた。
なお、今年4月にはユタ大学の研究者が地震波を解析することで、これまで知られていたマグマ溜まりのさらに下層にグランドキャニオンの11倍という巨大なマグマ溜まりが発見されたばかりだ。
[動画を見る]
Huge magma chamber discovered beneath Yellowstone National Park
via:dailymail
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』